緊張型頭痛
緊張型頭痛は 最も患者さんの数が多い頭痛です 患者さんは20~40歳代の方が多く 女性の方が男性より多い傾向を認めます 頭痛の程度は比較的軽いのですが 繰り返し症状が認められるため 日常生活に支障を生じて受診されることが多い 下図の一番上に示されているように 痛みは軽度だけれど ダラダラと続く 症状が 月に15日以上見られると 慢性緊張型頭痛 15日以下なら 反復性緊張型頭痛 に分類されます 月に15日以上の頭痛が 3か月間以上認められる慢性緊張型頭痛は 10~20年以上にわたり苦しんでおられる中年女性に多く 約40%が日常生活に支障をきたされています <症状> 後頭部を中心に 頭の両側が *しめつけられるように痛み 圧迫感がある *首や肩がこる *めまいがする といった症状が特徴的です 30分程度で治まる場合もあれば 数日間持続することもあります ズキンズキンという脈打つような痛みではなく 吐き気や気持ち悪さをともなうこともありません 頭痛を誘発する要因として *長時間のうつむき状態や無理な姿勢 *運動不足 *心配 不安 ストレス *女性の生理 *天候の変化 温度差 などが考えられています ストレッチなどで首筋を動かしたり シャワーで温めたりすることで 痛みは軽減します <原因> 反復性は 首から肩 背中にかけての筋肉や頭の筋肉の緊張 筋肉の緊張が高まると 筋肉内の血流が悪くなり 筋肉中に乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまり それが周囲の神経を刺激して 締めつけられるような痛みを起こします 慢性は 筋肉の緊張がなくても起こり得ます 精神的ストレスにより 脳そのものが痛みを感じやすくなり 頭痛を引き起こす 生真面目な性格や几帳面さを持った人が かかりやすいと言われています <治療> 治療には *アセトアミノフェンなどの鎮痛剤 *バファリン ロキソニン ブルフェン ナイキサンなどの消炎剤 *テルネリン ミオナールなどの筋弛緩薬 等が使用されますが 慢性緊張型頭痛に対しては 抗うつ薬や抗不安薬を予防的に使用すると 効果的なことがあります <日常生活での注意> 筋緊張型頭痛でお悩みの方に 日常生活で心掛けていただきたいことは *ストレッチや入浴で 首や肩の筋肉をほぐす *長時間 机の前に座りっぱなしのことが多い方は こまめに休憩をとって気分転換をはかり ときどき背すじを伸ばすなどして筋肉をほぐす *日頃から適度な運動を心がけ 同じ姿勢を続けない *ストレスや疲労をためすぎず 適度に解消する と いったことです 筋緊張型頭痛は 症状そのものはそれほど激しくないため 市販の頭痛薬などで対処され わざわざ受診されない方も多いですが 筋弛緩薬などで ずいぶん良くなることもありますので 悩まれている方は 是非ご相談ください
高橋医院