機能性胃腸障害の解説をしてきましたが

消化管つながりで
多くの患者さんが悩まれている
消化管症状の解説をします

それは 便秘 です

便秘で悩まれている患者さんは
とてもたくさんおられます

特に
若年から中年の女性 
高齢の男性に多い

当院にも 
多くの患者さんが相談に来られます


そもそも 慢性便秘とは 
どういうものなのでしょう?

排便の回数が減って 
便をだすことが困難で苦しい状況で
長きにわたり悩み苦しまれるのが 
慢性便秘です

具体的には
週に3回未満の排便が 
3週間以上続く場合 
は慢性便秘です

便秘の人の排便回数を示した図

排便回数が
少ない場合は3日に1回 
多い場合は1日3回 
の範囲内ならば
慢性便秘ではなく正常といえます

但し 
便秘の患者さんが悩まれているのは
実は排便回数の少なさでなく

排便時の苦しみ 
なかなか便が出ないこと 
であることが多い

毎日排便があっても 
便がスムーズに出ないために
便秘がつらいと訴えられる患者さんは
少なくありません

便秘で悩む人

具体的な症状としては

*排便時に怒責を必要とする
 :便が固いのでスムーズに出なくて
  力まざるを得ず苦しい

*残便感がある 
 :便が分割されてしまい 
  一度に便ができらない

*一度排便して時間がたってから 
 再び便に行きたくなる

*肛門の閉塞感 
 会陰部の違和感がある

といったもので

それらの多くは 
便が硬いことによって起こります


便秘の人の固くて太い便

ですから
便が硬かったり 
コロコロ便の場合は 
毎日出ていても便秘と言えますし

逆に便が適度な軟らかさなら 
3日に1回の排便でも便秘とは言えません

便は硬いほど 
また小さいほど排便しにくく
(兎糞状の便は最も排便しにくい)

大きくて軟らかい便が 
いちばん排便しやすい

と言われています

硬くて小さい便

ということで 
便秘の治療の目的は
便を軟らかくして 
排便困難症状を改善することになります

便秘でいちばん困ることは

不快な排便困難症状により 
患者さんの生活の質が低下してしまい
身体および社会的活動性の低下が
認められることです

便秘による心理的・身体活動の制限は
関節リウマチのそれと同程度と
されているほどですから
かなりつらいものです

また最近では 
閉経後の慢性便秘患者さんは
狭心症や心筋梗塞の発生頻度が有意に多いことが
報告されています

さらに
医療者が慢性便秘の重大性を
認識していないことも少なくなく
患者さんが治療に満足していないことも
とても多いことが指摘されていて

医者にとっては 
大いに自戒すべき問題と言えるかもしれません


では どれくらいの患者さんが 
便秘で悩まれているのでしょう?

その数は 
全人口の1割程度とされ
高血圧の患者さんほど多くありませんが 
かなり多い頻度といえます

都市化による運動不足と 
より精製された食品の摂取などにより
便秘の患者さんの数は増加しているとされ
そうした点からは 
生活習慣病的な色合いも強いと思われます


60歳までは女性に多い傾向があります

女性は 
初潮後に既に便秘で悩み始める方も少なくありません

60歳を過ぎると男女差がなくなり 
80歳代では男性の方が多くなります

便秘で悩む患者さんの大半は
高齢者とのデータもあります

性別 年齢別の便秘症有病率を示したグラフ

これだけ多くの方が悩まれている便秘について 
解説していきます
高橋医院