今年は空梅雨のようで 
東京も日曜日から
かなりの暑さになっています

こんなときに
注意しなければならないのが 
熱中症

熱中症の注意を呼びかけるポスター

というのも
熱中症の発症時期は 
梅雨明け後の7 月中旬から8 月上旬にかけて
ピークですが

熱中症の発症は7月下旬が一番多いことを示すグラフ

まだ本格的に暑くなる前は
真夏よりも低い温度で
熱中症が発生するリスクがあるのです

梅雨明け頃は真夏よりも低い温度で熱中症が発生するリスクがあるこおを注意するポスター

身体が暑さになれていない 
しかも 湿度が高い

湿度は あとで説明するように
熱中症を起こさせる
大きな原因のひとつなのです

ということで 
既に2年前に一度解説しました
改めて 
これからの季節に充分な注意が必要な熱中症について
より詳しく説明します

今回 
新たに参考にしたネタ本は
日本救急医学会が出版している
熱中症診療ガイドライン2015 です

熱中症診療ガイドライン2015


まず 熱中症の患者さんは 
どれくらいの数がいて
どんなヒトが どんな状況で
かかりやすいか?

<熱中症の患者さんの数>

2013年の6~9月の4か月間に
医療機関を受診し
熱中症関連の診断を受けた患者さんは
407,948人おられました

そのうち 
入院した方は35,571人(全体の8.7%)で
不幸にして亡くなられた方は550人(全体の0.13%)
おられました

65 歳以上の患者さんが1
84,834人(全体の45%)を占め
高齢者の発症割合が高かったことがわかります

また 
亡くなった方の86%が
65 歳以上の患者さんで

高齢者の熱中症が要注意であることが 
明らかにされています

年齢別の熱中症による死亡者数を示すグラフ

では どのような方が 
どのような状況で
熱中症になられるのでしょう?

<熱中症の発症時期>

熱中症の発症時期は

梅雨明け後の7月中旬から8月上旬
にかけてピークを迎え

発症時刻は12時および15時前後の日中が
最も多くなります

また 興味深いことに 
男性の患者さんが多く
年齢・発生状況別にみると

若年男性はスポーツ 
中壮年男性は労働
による発生頻度が高い傾向が見られます

<若年・中壮年の熱中症>

熱中症は

*運動や労働など 
 体を動かしているときに発症する労作性

*普通の日常生活のなかで発症する
 非労作性

に 大別されますが

労作性 非労作性の差異を示す表

上述したように

*若年男性ではスポーツ中

*中壮年男性では労働中

に起こる労作性熱中症が多く
いずれも 
屋外での発症頻度が高くなります

スポーツ中の発症では
陸上競技など
グラウンドでのスポーツ中に起こる場合は
重症率が高い傾向にあるので要注意です

特に2時間を超える長時間の連続した練習での
発症頻度が高いとのことです

スポーツ中の発症のリスクを呼びかけるポスター

労働による労作性熱中症は
農林 土木 製造業などの肉体労働で
発症頻度が高く

男性 若年労働者 短い雇用期間は
危険因子と報告されており

高温多湿な環境 飲水の機会が少ないと
重症化しやすい

炎天下での労働中の発症のリスクを呼びかけるポスター

しかし いずれも 
健康な人が短時間で発症するため
診断も比較的容易で 
治療への反応も良く 
重症例は少なくてすんでいます

<高齢者の熱中症>

一方 高齢者では
男女ともに
日常生活のなかで起こる非労作性熱中症
の発症頻度が高く

屋内で発症する非労作性熱中症では

*高齢

*独居

*日常生活動作の低下

*精神疾患や心疾患などの
 基礎疾患を有すること

などが 
熱中症関連死に対する独立危険因子となります

お年寄りは 
家のなかでも 熱中症を発症してしまい
低栄養 脱水 持病の悪化などが重なり 
重症化しやすくて危険

ということです

高齢者の屋内での発症のリスクを呼びかけるポスター

日常生活の中で徐々に進行し
周囲の人に気付かれにくく
対応が遅れる危険性があります

特に 高齢の女性 独居者に多いと
報告されています


注意しなければいけないのは
高齢者では 
たとえ室内にエアコンが設置されていても
使用する方は少なく
設置しているにもかかわらず 
使用を控える傾向にあったことで

エアコンの未使用者
および非設置者の重症度は高い

高齢者の日常生活における
非労作性熱中症は増加傾向にあるため
充分な注意が必要です

ncs11

家族や周囲に
一人住まいの高齢者がおられる方は

*充分な水分補給をしているか

*適切にエアコンを使用しているか

を チェックしてあげてください
高橋医院