熱中症が
いちばん起こりやすいのは
梅雨明け前後の暑さのピークで 

この時期の患者さんは
重症率も高くなります

また 暑くなる前は 
真夏よりも低い温度でも
熱中症が発生し得ます

最近のような
梅雨明け前の連続した晴天でも
熱中症の患者さんは増えますから 
特に注意が必要です

熱中症に注意すべき気候をまとめたず


<暑さ指数:WBGT>

熱中症の発生には

*気温

*湿度

*風速

*日射輻射

などが関係し

熱中症リスク指標として
「暑さ指数(WBGT)」が推奨されています

暑さ指数(WBGT)の説明図

暑さ指数については 
以前に説明しましたが

人の体温に影響する要素である 
気温 湿度 地面や建物からの輻射熱を
計算式により総合的に評価したものです

熱中症の本態は 
体温が急に上がってしまい
体温調節が上手く働かず 
体温が下がらないことですから

熱中症の本態は体温調節が上手く働かず 体温が下がらないことを示す図

体温に影響する因子を
総合的に判断する必要があります

風が弱いことも 
体温を上げる要因になります

<湿度にご用心!>

それらの要素のなかでは 
湿度の影響がいちばん大きく

暑さ指数に占める 
気温:湿度:輻射熱の比率は
1:7:2 となっています

暑さ指数では湿度が一番大きく影響することを示す図

湿度が高いと汗が蒸発しないので 
体温が下げられないのです

気温がそれほど高くなくても 
湿気が高いと熱中症になり得ます

湿度が特に高い梅雨の時期にも 
熱中症の注意が必要なわけです

ここ数日 何人かの患者さんに 
熱中症と湿度の関連の話をすると
えっ そうなんですか?
と 驚かれる方が少なくありません

高い湿度が
熱中症の原因になるという意識は 
ないのでしょうね

ということで

*暑さ指数が28℃(=気温31℃)を超えると 
 熱中症の患者さんは急増し

*暑さ指数が31℃(=気温35℃)を超えると
 熱中症による搬送者が大量発生します

リアルタイムの暑さ指数は 
環境省のサイトで知ることができます

<暑さ指数に応じた日常生活 運動の注意>

暑さ指数の度合いにより 
日常生活や運動は注意して行う必要があります

暑さ指数の度合いにより注意すべき日常生活や運動をまとめた表

@危険(暑さ指数31℃以上:気温35℃以上)

すべての生活活動で
熱中症がおこる危険性があり

高齢者では
安静状態でも発生する危険性が大きいので
外出はなるべく避け 
涼しい室内に移動し
運動は原則全て中止です (特に子供はダメ)

@厳重警戒(28~31℃:気温31~35℃)

すべての生活活動で
熱中症がおこる危険性があり

外出時は炎天下を避け 
室内では室温の上昇に注意する
激しい運動は中止する

@警戒(25~28℃:気温28~31℃)

中等度以上の生活活動で
おこる危険性があり

運動や激しい作業をする際は
30分毎に充分に休息を取り入れ 
水分補給する

@注意(25℃未満:気温28℃未満)

一般に危険性は少ないが
 
激しい運動や重労働時には
発生する危険性がある

運動はほぼ安全だが 
適宜水分を補給する

熱中症警戒レベル別の注意事項をまとめた図
暑そうな日 ジメジメしている日は
暑さ指数をチェックされて
熱中症にならないようにご注意ください
高橋医院