前回に引き続き 
インフルエンザにかからないための対策
を解説します

<手洗い マスク以外の予防対策>

こまめな手洗いの励行 マスクの着用以外に

@適度な湿度の保持

空気が乾燥すると 

気道粘膜の防御機能が低下
インフルエンザにかかりやすくなります

また インフルエンザウイルスは
乾燥した気温が低い状況で 
どんどん繁殖します

温度によるインフルエンザウイルスの生存率の差異を示すグラフ

ですから 
特に乾燥しやすい室内では
加湿器などを使って
適切な湿度(50~60%)を保つことが効果的です


@十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

侵入してきたウイルスを排除できるよう 
体の抵抗力を高めるため
十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
日ごろから心がけることが大切です

インフルエンザの予防法をまとめた図

@人混みや繁華街への外出を控える

インフルエンザが流行してきたら
御高齢の方
基礎疾患のある方 
妊婦 
疲労気味 睡眠不足の方は
人混みや繁華街への外出を控えましょう

やむを得ず外出して
人混みに入る可能性がある場合には
マスクを着用する

ただし 
人混みに入る時間は極力短くしましょう

といったことが大切です


<それでも かかってしまったら>

こうした対策をとっていたにもかかわらず
インフルエンザに
かかってしまった可能性がある場合は
早目に医療機関を受診してください

というのも

ウイルスは 
感染後48時間以内に 
体内で凄い勢いで増殖するので

感染後48時間以内の増殖を示すグラフ

この48時間内に 
抗ウイルス薬を服用することが肝心です

つまり 
医療機関で処方される抗インフルエンザ薬の
効果があるのは
発症から48時間以内で

48時間を過ぎると
効果が期待できないのです


48時間以内に治療を開始した方がよいことを示す図

インフルエンザの治療の基本は
安静にして睡眠を十分にとることで
抗インフルエンザ薬を
使わなくても改善しますが

抗インフルエンザ薬には
症状の改善を早め 
つらい期間を短くする効果があります

また 
妊婦さん 高齢者 
糖尿病 免疫が低下している人
などは
早目に診断を確定し 
抗インフルエンザ薬治療を行うべきです

48時間以内の受診を勧めるポスター

さらに

*呼吸困難または息切れがある

*胸の痛みが続いている

*3日以上熱が続いている

*脱水の可能性がある

といった症状がある場合は
重症化しているリスクがあるので 
すぐに受診してください

重症化のサインをまとめた図


<治療のポイント>

*安静にして水分を十分にとり 
 休養しましょう

十分な休養を勧めるポスター


*処方された薬を 
 確実に服薬しましょう

*少なくとも熱が下がってから2日目まで
(できれば症状が出た日の翌日から7日目まで)は
 他の人にうつす可能性がありますから 
 受診以外の外出を控えましょう

潜伏期間を示す図


*受診や介護を受ける際に 
 咳エチケットとしてマスクをしましょう

*できるだけ手洗いを行いましょう


インフルエンザにかかったとき
特に気をつけることは 
他の人にうつさないことです

同居する他の家族 
特に重症になりやすいお年寄りなどには
なるべく接触しないよう心がけ

患者さんは 
できるだけ他の家族と離れて静養しましょう

また 家族が患者さんと接するときには 
念のためマスクを着用し
お世話の後は 
こまめに手を洗いましょう

さらに 
感染予防のため
1時間に1回程度 
短時間でも部屋の換気を心がけましょう
高橋医院