彼は どうやって 料理するのかな?

書き手は会場に行く道すがら 
ちょっと楽しみにしていました

昨年末に 
ソフィア・コッポラ演出のローマ歌劇場オペラで楽しんだ 
椿姫

ローマ歌劇場オペラの椿姫のチラシ


今度は バレエで同じ演目を楽しみます

ハンブルグバレエ団の椿姫のチラシ

バレエは 
踊りとマイムで世界を表現するわけですが

セリフや歌がない世界で
あの狂おしいまでの愛憎の世界を 
どう訴えかけるのか?

困難さがともなう分 楽しみでもあります

しかも 演出するのは
ハンブルグ・バレエ団の 
ジョン・ノイマイアー

ジョン・ノイマイアーの顔写真

一昨年 真夏の夜の夢で 
書き手の度肝を抜いてくれた巨匠は
どんな演出を見せてくれるのでしょう?

ますます 期待度が高まります


で 会場について
パンフレットを購入して
席について開演を待っていたら

舞台のさまざまなシーンが掲載されたパンフレット

糖尿病専門医さんが
これ あらすじを読んでいた方が良いかもよ
と パンフレットを読みながら 
アドバイスしてくれました

バレエの演出でも 
椿姫のストーリーそのものは 
変わらないのだろう
と思っていたのですが

ところがなんと 
ノイマイアーさん

大胆な仕掛けを施しておられるのですよ!

オペラの椿姫は 
華やかな舞踏会のシーンで幕を開けますが

このバレエは 
ヒロインの高級娼婦・マルグリットが亡くなったあと
彼女のアパートで遺品が
オークションにかけられる場面から始まります

そして 
プロローグのあとに繰り広げられる舞台は
そのあと全て 
ショパンの音楽で彩られます

ショパンの顔写真

オケなしのピアノだけで 
全てが支えられる幕もあり
舞台の上でピアノが演奏されるシーンもあって

それだけで オペラの椿姫とは 
全く異なる世界が繰り広げられます

ピアノ・ソナタ3番 第3楽章 ラルゴ
ピアノ協奏曲2番
華麗なる円舞曲 第1番 第3番
24の前奏曲 17番 15番・雨だれ 24番
ポロネーズ作品22

いずれも 
耳慣れしているショパンの曲なのですが

ノイマイアーさんが紡ぎ出すバレエの世界に 
まさにぴったりで

しかも ショパン・フェチの
糖尿病専門医さんをして

今まで慣れ親しんできた
ショパンの同じ作品とは思えない 

と言わしめるほどの 
劇的な効果があるのですよ


ノイマイアーさんご自身が 
プログラムノートで語られていましたが

彼はこのバレエの構想を
頭のなかで思い浮かべていたときに
ショパンの音楽が流れてきて

その調べに沿って
彼の頭のなかで
混沌としていた直観的なイメージが
すんなりときれいに整理整頓され
舞台の流れが 
あっという間に出来上がってしまったそうで

うーん そういうことが 
芸術家の頭の中では起こり得るのですね!

びっくりしたし 感動したし
そんな経験が出来るなんて
羨ましいと思いました

演出するノイマイアーさん

ノイマイアーさんは ショパンのことを

時代をどのように感じ取るか
という点において共感するし

彼の音楽的感受性は
自分がバレエの振り付けを行うときの
音楽に対する感受性と同じだ

と語っています


再度 うーん 
凡人にはうかがい知れない世界ですね

羨ましい、、、

でも びっくりするような羨ましいことは 
もっと続くのです(笑)


高橋医院