忖度の話を続けます

なぜ日本社会では忖度がはびこるか?


日本社会には 
「同調圧力」
なるものがあるそうで

皆と一緒でないと不安になる
なんでも横並びが大好き

同調圧力の説明図

例えば
日本の有給休暇消化率は50%で 
世界で一番低いけれど
そのかわり 
祝祭日の数は際立って多い

ひとりで有給休暇はとりにくいけれど 
皆と同じ祝祭日なら安心 
ということ

そして
日本のサラリーマン社会が 
忖度のクモの糸に縛られているのは
この同調圧力が強いから 
というわけです

確かに日本人は
他の人と同じだと安心するし
人と異なることを嫌がる 
怖がる傾向がありますね

人と異なることを嫌がる 怖がる傾向を説明したイラスト

で 社会で同調圧力が
大手を振っているのは 
排除への恐怖 が原因で

同調圧力に逆らえば 
組織から排除されかねないという恐怖があり

排除されないようにするためには 
皆と同じようにするのがいちばんで
だから無意識のうちに自己規制が働いて 
圧力に従う

日本人は 
大きくてブランド力のある組織に属すると
安心できるけれど

一方で ひとたび属すると
今度は排除への恐怖が
とても強くなるのです

集団から排除された人の姿

別の見方をすると

主語を 一人称単数から 
所属組織に明け渡してしまう傾向が強く

自分で判断するより 
忖度のネットワークのなかで
周囲の希望や意向を推し量りながら
それに沿って生きることを
好む傾向がある

そうすれば 
自己責任を感じずにすむし  
さらに社会や組織から高く評価される

うーん 耳が痛いかも?(苦笑)


ここで 
山本七平さんの 「空気」の研究 
という論文が引用され

前回も登場した“空気”と 
同調圧力の関連が語られます

「空気」の研究という本の表紙

つまり

まわりの人々の暗黙の同調圧力が 
空気になり

その空気が 
人と社会を支配するほどの大きい影響力を持つのが
日本の社会の特徴で

空気が強い社会では 
忖度の必要性がさらに増す


この空気は
まことに大きな絶対権を有した
妖怪のようなもので

非常に強固で 
絶対的な支配権を有する判断基準となり
あらゆる議論や主張を超えて 
個人を拘束する

その前では 
論理的な分析や論証は一切吹っ飛んでしまい
あらゆる議論は 
最後は空気によって決定される

空気によって ロジカルな判断ができなくなってしまうことを示す図

空気によって 
ロジカルな判断ができなくなってしまう

うーん 怖いことです、、、


一方で
空気に抵抗するものは 
異端として社会的に葬り去られるので
人は何も言えなくなる

特に最近の社会では 
空気の支配が強まっていると
著者は危惧されています


最近の社会では 空気の支配が強まっていることを危惧する記事

でも 書き手は思うのですが

誰が 何が どのようにして 
空気を形成するのでしょう?

そんなことを疑問に思っているようでは
空気に敏感にもなれないし
忖度上手にもなれないのでしょうか?(苦笑)


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