タバコを吸う人は病人!
紫煙をくゆらすって 大人っぽくて格好良いなあ でも タバコの煙って 紫色には見えないけどなあ と 書き手は小さい頃に 不思議に思っていました(笑) 確かにタバコは 大人の嗜好品という感じがしますが でも タバコを吸う人は 実は病人なのですよ 日本では2006年から 健康保険適応による禁煙治療が開始されました これは 「喫煙は病気 喫煙者は患者」 という考えに基づいています 喫煙者の多くは 喫煙を趣味・嗜好ととらえ 病気であるという認識は薄いのですが 喫煙は 健康に害を及ぼす立派な生活習慣病で タバコを吸う人は 病人なのです こんな風に正面切って言われると 多くの愛煙家は 面喰うでしょうね(笑) <喫煙の健康への悪影響> 喫煙は がん 循環器疾患 呼吸器疾患 消化器疾患 歯周病 胎児の成長障害 その他さまざまな健康障害の 原因になっています @タバコに含まれる有害物質 タバコの煙には 2000 種以上の化学物質が含まれ そのうち発がん性が判明しているものだけでも 40 数種類あります なかでも *強い依存性を有し 血圧や脈拍数を増加させる ニコチン *多くの発がん物質を含む タール *血液中の酸素量を減少させ 動脈硬化を進展させる 一酸化炭素 は 代表的な3悪人です! @喫煙による死亡 現在 死亡者の10 人に1 人は喫煙が原因となっており 総数で年間500 万人以上もの人が 死亡しています 日本でも 毎年11 万人以上が 喫煙を原因として死亡していると推計されていて これは死亡者全体の16.3%にものぼる数字です 喫煙は 死亡原因の最大のリスク要因ですが 喫煙関連疾患は 禁煙により発症が防げることから 予防可能な単一疾患としては 最大の病気でもあります 喫煙者は非喫煙者に比べ 平均寿命が10年も短く 壮年期死亡が多い ことは従来から指摘されてきましたが 喫煙者の半数が 喫煙に起因する死因で死亡し その40%は69歳までに死亡することから 壮年期の死亡の1/3から1/2は 喫煙が関連している と考えられます 70歳での生存率は 非喫煙者81%に対し 喫煙者は58%に過ぎません <疾患発症リスクへの関与> @虚血性心疾患 1.7~3倍 ただし 禁煙で2年以内に減少し 冠動脈疾患の改善には即効性があります @突然死 1.4~10倍 @脳卒中 2~3倍 @大動脈瘤 6倍 このように 心・脳血管系疾患の死亡率は 喫煙者で軒並み高値を示します @喫煙開始年齢が若いほど *心筋梗塞の死亡率が上がる *ニコチン依存症になりやすい ことが明らかにされています このように 喫煙は健康にとって 百害あって一利なしなのは 明らかです <日本人の喫煙状況> 日本の成人男性の喫煙率は 徐々に減少しつつあり 2005 年には39.3%となり 初めて40%割れとなったものの 英米に比べると まだ突出して高いレベルにあります 日本の成人女性の喫煙率は 2005 年には11.3%で 1965年以来ほぼ一定していますが 40歳代以上の年齢層では 年々減少傾向を示している反面 30歳代 20歳代と年齢層が下がるほど 喫煙率の上昇傾向が明らかで この現状を反映して 妊婦の喫煙率も増加傾向がみられています 最も喫煙高い年代は 男性は30歳~40歳代で42% 女性は30歳代で14.2% 若い女性および未成年の 喫煙の増加が問題でしたが 未成年者の喫煙率は ようやく減少の傾向となっています @医療関係者の喫煙率 ちなみに 患者さんに禁煙を指導する立場の 医療従事者の喫煙状況はどうでしょう? 人さまにご指導をする前に まず自らの襟を正さないと いけませんから(笑) 我が国の医師の喫煙率は 男女とも国内の一般人口集団の 喫煙率より低いものの 世界の喫煙対策先進国と比べると かなり高いのが現状です さすがに最近は減少していますが それでも 男性医師は10% 女性医師は2.4%で ちなみに 他の国での医師の喫煙率は 軒並み5%以下です お恥ずかしい!(苦笑) ちなみに書き手は 二十歳過ぎてからは タバコは吸っていません!(苦笑) 年齢階級別では 男女とも30歳代が最も高かった 専門科で見ると 男性では さすがに禁煙指導の専門の 呼吸器科が5%以下で 他科に比べて有意に低かったですが 産婦人科 泌尿器科 外科 精神科の 喫煙率は16%を超えていて 女性医師は 呼吸器科と小児科で低い 一方 看護職の喫煙率をみると 保健師では低率ですが 助産師 看護師および准看護師(いずれも女性)では 一般人口集団の女性よりも高率でした 確かに 病棟飲み会などで 紫煙をくゆらせている ナースの方は多かった(苦笑) 喫煙率が高いだけでなく 喫煙に対して寛容な態度をとる者が 非喫煙者にも多いことが 看護職の問題とされているようです
高橋医院