忖度の話 最終回です

しがらみがあるところには 
必ず忖度が生まれる 

と言われます

しがらみに辟易している日本人は
多いのでしょうが

でも 抜け出すのは大変なことだと思います

文化を変革することですからね

しがらみに悩む人の姿

さて 池内了さんは arc21という雑誌に
「真の民主主義の確立のために」
というタイトルで

忖度と民主主義の関係について書かれています

日本には
真の民主主義は根付いていない

人々が自分の頭で考えず 
自分の意見を持たず
世間に流布する言説に流される体質になっているから 
である

そしてこれは 
歴史的に形成された大和民族の特質である

と 池内さんは指摘されます

世間の動向ばかり気にしている人たちの姿

そして

日本人が最も尊しとする 和 が
実現できるかのように
人々に思い込ませる 
疑似民主主義的な手法こそが 
忖度や同調 だ

と 指摘されます

権力者は 
強制するのでなく 
忖度できる人に忖度させることで
社会に自らの意向を 
より確実に強烈に反映できるように誘導するので

権力者は 強制するのでなく 忖度できる人に忖度させていることを示すイラスト

民主主義は 
忖度にまみれた権力者の偽りの像を
見抜くところから始まる

忖度にまみれた権力者の偽りの像を見抜くことの重要性を説く図

同調
自分の意見を持たず 
もっぱら周囲の雰囲気に調子を合わせる行動で

和を重んじることを優先し 
自己主張で周囲をかき回すようなことはせず

結果が間違っていても 
個人責任は問われない


民主主義
個人が自分の行動に責任を持つことが基本で

同調だけでは
個人の顔が消えてしまうので

個を尊重する社会では 
同調一辺倒の社会は似つかわしくない

同調圧力の原因となる 
影の存在に肉薄することが大切である

影の存在を探している人の写真

一方 空気が読めないKY は

忖度社会では負の評価を受け
和を大切にしない 
空気が読めない 
自分本位に振る舞う
などと非難されますが

空気が読めない人の姿

KYには 
個人の反抗的な心情が込められていることがあり
それは民主主義の出発点をなす
自由な発想と個人の確立につながる要素なので
一面では頼もしい行動でもある

昨今の 
政治家 官僚 裁判官 巨大企業社員の
忖度の横行には
絶望感を感じざるを得ないが

若者のKYには 
個の確立 民主主義の発展の視点から
期待も持てる

と まとめられています


KYは 
忖度社会を打破できる存在として有用である
という話は前回も紹介しました

KYを特集した雑誌の表紙

それにしても
忖度と民主主義が関連してくるとは 
思いませんでしたが

確かにそうかもしれませんね

繰返しになって恐縮ですが
やはりポイントになるのは 
個や主体性の確立だと思います

それがあってこそ 
忖度や同調圧力などと揶揄されない
日本の誇るべきハイコンテクスト文化を
花咲かせていけると
書き手は思うのですよ


ところで ネコは 
忖度できるのかな?(笑)

ネコは忖度できるかという疑問を示す記事





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