尿の回数 尿の量が 
多くても少なくても 病気の可能性があります

<排尿に関わる器官>

腎臓で作られた尿は
尿管により膀胱に運ばれ 
そこで溜められてから
尿道を介して体外に排出されます

@尿管

ぜん動運動により 尿を腎臓から膀胱に運ぶ働きをします

@膀胱

尿を貯める袋で 
300~500mlの尿を溜めることができ
周りを排尿筋という筋肉が囲んでいて
尿を溜めている間は 排尿筋は弛緩しています

@尿道

膀胱の尿を外に出す管で
男性では 20~25cm 
女性では 5cm 
の長さがあり

尿道括約筋というバルブがあり 
排尿のタイミングを調節しています

@前立腺

男性の膀胱のすぐ下にあり器官で 
精液の成分を作っています

加齢により肥大が生じたりすると
尿管を圧迫したりして
排尿に異常を生じさせます

排尿に関わる器官の解剖図


<排尿の仕組み>

排尿は 反対の働きをする
膀胱の排尿筋 尿道括約筋の
バランスにより規定されていて

尿を溜めているときは 
排尿筋は緩み 括約筋は締まり

排尿するときは 
排尿筋は収縮し 括約筋は緩みます

排尿の仕組みを説明した図


<尿の量と回数>

健康な方では
通常は1日に500~2000mlの尿を出していて
トイレに行く回数は10回以内が多い

それより 量や回数が 
多かったり 少なかったりした場合は
なんらかの病気が隠れていることがあるので
注意が必要です

@乏尿

1日の尿量が500ml以下の場合は 乏尿です

頻尿になると 
老廃物を排泄できなくなるので危険です

原因は

*腎前性
 = 血圧低下などで 腎臓に行く血流が足りなくなる

*腎性
 = 腎臓が急性に障害されて 尿ができなくなる

*腎後性
 = 尿路が閉塞されて 尿が排泄できなくなる

に分類され

それぞれの状態は 
さまざまな病気により起こってきます

腎前性 腎性 腎後性の各乏尿について説明した図


@多尿

1日の尿量が2000ml以上だと 多尿です

原因としては

*尿を濃縮するホルモン(ADH)の
 濃度が低いか 腎の反応性が悪い
 中枢性尿崩症 腎性尿崩症

*心因性多飲症

*慢性腎不全 急性腎不全の多尿期

*糖尿病

*利尿薬

などがあります

@頻尿

昼間に8~10回以上トイレに行く
夜中に2回以上トイレに行く

場合は 頻尿です

頻尿について説明した図

多尿が原因のことが多いのですが

*過活動性膀胱
 膀胱の筋肉が勝手に収縮するので 
 急にトイレに行きたくなる状態

*神経因性膀胱
 排尿のコントロールが上手くいかない状態

*膀胱炎

*前立腺肥大

といった病気が隠れていることもあり 注意が必要です

@残尿感

尿をしても し残したような感じがする状態で
尿道の通りが悪くなることが原因です

残尿感について説明した図

前立腺肥大 がん 尿道狭窄 
などを疑う必要があります

@夜間の頻尿・尿量増加

通常は水分摂取量が減るので 
夜間の尿量は減少し 
排尿回数も減ります

しかし 夜間に何度もトイレに行く場合は

*過剰な水分摂取

*膀胱容量の減少

*尿路系の炎症

*前立腺肥大

などが疑われます

夜間の頻尿に悩む人のイラスト

また 夜間の尿量が増加する場合は

慢性腎不全 心不全 肝硬変

などの病気の存在が疑われます



 

高橋医院