職種によって 
なりやすい生活習慣病が異なる

こんな面白いレポートが 
日経Goodayに掲載されていました

日経Goodayの表紙

2008年から開始されたメタボ健診で
蓄積されたデータを解析したところ

仕事によって健康リスクが異なることが
明らかにされたそうです

働いている方は 
仕事によって特有の行動パターンがありますが

1日の大半を職場で過ごされるので 
そのパターンが健康に影響を及ぼす

なるほどです


職業を

*事務系 or 非事務系

*自分で生活リズムを作りやすい or 作りにくい

の2項目により 以下の4パターンに分けます

@Aパターン

*事務系で 
 自分で生活リズムを作りやすい

*デスクワークが中心の 
 管理部門や事務系の仕事

@Bパターン

*事務系で 
 自分で生活リズムを作りにくい

*顧客の都合が優先される
 営業職 サービス業 接客業 IT関連などの仕事

@Cパターン

*非事務系で 
 自分で生活リズムを作りやすい

工場などの現場で 体を動かす仕事

@Dパターン

*非事務系で 
 自分で生活リズムを作りにくい

*夜勤や交代制勤務がある
 ガードマン ドライバー 医療介護などの仕事

読み手の皆さんのお仕事は 
どのパターンに属されますか?

仕事内容と健康状態の関係を示す図

それぞれのパターンで 
なりやすい健康障害や生活習慣病が異なります

@Aパターンの 
 デスクワーク中心型

コンピューター画面を見る人

*大きな病気にはなりにくいが

*基礎代謝が低いので太りやすく 
 睡眠の質も悪くなりがちで

*肩こり 腰痛などが起こりやすい

座っている時間が⻑いので 
エネルギー消費量が少ない

また 気分転換のために
ついついお菓⼦を⾷べたり
習慣的に甘い飲み物を飲む⼈は 
やせていても⾎糖値が高くなりやすい

以前にご紹介した 
座りっぱなしは危険 にも該当します

このパターンの方の対処法は

気分転換で飲む飲料を
甘いジュースやコーヒーからお茶にする 
ことが大切で

お茶のペットボトル

会社の⾃販機のメニューを
缶コーヒーやジュースをやめてお茶や⽔にしたところ
従業員の健診数値が改善した事例もあるそうです

糖分の多い飲料は控える

一定時間ごとに立ち上がって 
全身を動かすようにする

デスクまわりでできる運動をまとめた図

といった対処が重要なようです


@Bパターンの 
 顧客の都合優先の仕事の方は

顧客と打ち合わせる人

*メタボ 高血糖になりやすく

*IT関連の方は 
 若い頃から血圧上昇傾向がある

顧客の都合が優先なので 
⾷事の時間が不規則になりやすく

空いた時間に
菓⼦パンやファストフードなどで
簡単に食事を済ませざるを得ず

そのため糖質過多になりやすく
やせているのに高⾎糖ということが
少なくない

営業職で仕事としての宴席が多い方は 
食べ過ぎ飲み過ぎになりやすく
⾎糖値 
コレステロール値 中性脂肪値 
尿酸値などが
高値になりやすい

また IT関連の方は 
運動量も⾷事量も少なく
⻑時間同じ姿勢で作業して 
しかも緊張状態をともなうので
若いうちは太っていなくても 
⾎圧が高めな方も多いようです

コンピューターのプログラミングをする人

この IT関連の方の高血圧は 意外でした

当院にもIT業種の方は
たくさん来院されていますから
今後は血圧にも充分に注意したいと思います

このパターンの方の対処法は

ファストフードや菓⼦パンばかり食べる⼈は 
おにぎりに替える

というのも
⽶の⽅が精製された小麦粉より
消化・吸収のスピードが緩やかなので
⾎糖値の急上昇が防げるからです

宴席が多い方は 
食後高血糖を防ぐために
おつまみを食べる順番を変える

揚げ物などからではなく
糖分の吸収を遅らせるGI値の高い
野菜や海藻などから食べ始める

などが効果的です

食品のGI値を示した図

会社の健康診断で
糖尿病や脂質異常症などを指摘され
当院を受診される方で 
Bパターンの方の比率は 
かなり高いです

ついつい 
営業のあい間の短い昼休みに 
ドカ食いしてしまう

夜のお仕事の宴会で 
飲み食いが多くなってしまう

といった 
悲鳴のようなお話をうかがうことが多いです

宴会でつらそうに飲み食いする人

そして ほとんどの方が
以前に解説した 
太る食べ方をされています

忙しい日々で大変だとは思いますが
是非 対策を練っていただきたいものです

長くなりましたから 
Cパターン Dパターンの解説は 次回に続けます
高橋医院