女性の健康・妊娠 未成年の健康への 喫煙の悪影響について説明します

<女性の喫煙>

我が国の女性の喫煙率は 1965年以来ほぼ一定しています

年齢階層別に見ると
40歳代以上の年齢層では 年々減少傾向を示している反面

30歳代 20歳代と年齢層が下がるほど 喫煙率の上昇傾向が明らかで
この現状を反映して 妊婦の喫煙率も増加傾向がみられます

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女性は男性に比べニコチンに弱いこと が明らかにされ

*同じ本数の喫煙でも影響が強く出る恐れがある
*ニコチン依存度が高くなる傾向がある
*COPDは 男性より女性の方が危険度が高い

ことが報告されています

女性はアルコール代謝も男性より弱いのですが
タバコの害も より受けやすいのですね

具体的な悪影響としては

@卵巣機能への影響

*月経時疼痛 月経周期の不整 続発性無月経が多い

*喫煙者は非喫煙者に比べて約2 年 閉経が早まる

@美容への影響

*皮膚の弾力性が減り 皺が増加する

*頭髪の変化(白毛 脱毛)

*口唇の乾燥 歯および歯肉の着色

*口臭 声の変化

*男性型多毛

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@乳がん

*喫煙の乳がんに対する影響についてはいまだ議論があり
喫煙によって乳がんのリスクが増加するという研究結果と
リスクが減少するという研究結果が存在します

*後者の論文では
対照とした非喫煙者中に受動喫煙者が含まれているものが多く
論文数・比較対照の厳密性等から
前者の方が優勢にあります

*乳がんリスクは喫煙によって増加しますが
特に閉経前ではそれが明らかです

*乳がん発症には 受動喫煙の影響も大きい

@子宮頸癌 細菌性腟症

*喫煙との因果関係が明らかである

といったことが挙げられます

また 喫煙者が経口避妊薬を使用することにより
心血管疾患(狭心症発作)の発症率が12倍になるので 注意が必要です

<妊娠への影響>

@妊娠前の喫煙

妊娠前の女性の多くは 妊娠したら禁煙しようと考えていますが

喫煙が 不妊・流産・子宮外妊娠につながりますし
胎児の形成は 妊娠が判明する前にすでに始まっていることから

妊娠前から禁煙していないと 胎児奇形の発生は手遅れになります

妊娠を希望している女性には これらの情報を伝えるだけでも
十分な禁煙の動機となり得るので 積極的にプロパガンダすべきです

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@妊娠中の喫煙

我が国における妊婦の喫煙率は
若年女性の喫煙率が上昇するとともに上昇傾向にあり
今後 より上昇するであろうと推測されています

妊娠中に喫煙していると 以下のような悪影響が出てきます

*胎児の発育遅延 早産 常位胎盤早期剥離 前置胎盤
喫煙本数が増えるほど危険性は増します

*前期破水が多い (2~3倍)

*新生児の周産期死亡率を高める
相対リスクは 喫煙本数に比例して増加します

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*喫煙妊婦から生れる新生児の体重は
非喫煙者よりも平均で200~250g 軽い

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妊娠中に喫煙していた期間が短いほど
児体重の減少の程度は小さくてすむので
妊娠中のいつの時期でも 禁煙する意義があります

以上の問題点は
禁煙により頻度を下げることが可能なことが明らかとなっており
妊婦が禁煙する意義は大きいと言えます

一方
喫煙者では 流産の増加 子宮外妊娠の増加も見られ
ある種の胎児奇形と 妊娠のごく初期の喫煙との関連も
推察されていることから

先にも述べましたが これらを予防するためには
妊娠が判明する前から禁煙している必要があります

また 妊婦は
禁煙治療で使用されるバレニクリンやニコチン代替療法は
基本的には使用してはならないとされています

<未成年者への影響>

我が国の未成年者の喫煙率は
2000年前後まで上昇を続けていましたが その後下降に転じています

しかし 女子中高生の喫煙率は 著しく増加しています

喫煙経験率は
中学1年生で男女とも10%を超えており
学年が上がるにつれて上昇して

高校3年生の男子では 喫煙経験者が42% 毎日喫煙する者が13%
女子でも それぞれ27% 4.3%に達しています

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喫煙を始めたきっかけは
好奇心から なんとなく 友達から勧められて が多く

タバコの有害性や依存性を十分知らないうちに
些細なきっかけで吸い始めてしまう場合がほとんどです

喫煙は 成長期にある未成年の健康に 当然 悪影響を及ぼします

成長過程にある子供の身体は
大人に比べタバコ煙中の有害物質から受けるダメージが
著しく大きくなります

また 年齢が低いと
短期間でニコチン依存状態になることが深刻な問題

中学生前後の年齢では
数週間から数か月間吸っただけでニコチン依存に陥り
禁煙が困難になるといわれています

さらに 未成年で喫煙を開始すると
それ以降に開始した人に比べて 死亡率が有意に高い

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心筋梗塞での死亡率も高くなります

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一旦 喫煙習慣に染まりニコチン依存になった子供たちは
自分の意志だけで禁煙することは困難です

周囲の大人が 注意してあげなければいけません

未成年の喫煙者にも 禁煙治療のニコチン代替療法が有効です

比較的短期間のニコチンパッチ使用で
一旦は禁煙を達成できる場合が多いのですが

禁煙を継続することは容易ではなく
再び喫煙習慣に戻ってしまうことも少なくありません

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日本の社会が 未だに喫煙に対して寛容であることや
子供でも自動販売機で簡単にタバコを入手できる環境にあること等が
未成年の喫煙の主な原因と考えられるため

大人たちの意識改革が 未成年者の喫緊の重要事項といえます

 

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