フランス南東部のローヌ川沿いに広がる
コート・デュ・ローヌ地方は
北は ブルゴーニュ地方
南は プロヴァンス地方 ラングドック・ルーション地方
に挟まれており
中心に14世紀に法王庁が置かれた
古都アヴィニョンがあります
主にシラーやグルナッシュから造られるワインが産生されます
この地域は 北部と南部に分かれます
＜北部ローヌ地方のワイン＞
シラーの力強い味わいを特徴とした
コート・ロティ エルミタージュ
ルーサンヌやマルサンヌを主体とした
白ワインのサン・ペレイ
ヴィオニエで造られる
白ワインのコンドリュー
などが有名です
＜シラー＞
北部ローヌ地方では
赤ワインはほぼ100％シラーで作られます
シラーは 小粒で果皮は厚く
青みがかった濃い紫色をした黒ブドウで
カベルネ・ソーヴィニヨンと同様
パワフルで長熟なワインを生みます
南フランスの強い日差しに
よく適しています
シラーから造られるワインは
色が濃くボディがしっかりとしていて
豊富なタンニンを持つので
長熟なワインを生み出します
フルーティな味わいと
タンニンの渋みのバランスがよく
コクのあるうっとりとさせる
魅力のあるブドウでもあります
若いうちは
パワフルと表現される強烈な凝縮感がありますが
時を経るにつれて気品のある果実味が現れ
滑らかな口当たりで余韻も長く
ボルドーの高級ワインにも匹敵する
素晴らしいワインとなります
黒コショウ デーツ 甘草 スミレ
などの香りも特徴です
＜ヴィオニエ＞
北部ローヌ地方で主に栽培されている白ブドウは
ヴィオニエです
ヴィオニエで造られる白ワインは
華やかで豊かな香りと
飲み応えのある味わいがあります
ヴィオニエを完熟させるためには
充分な日照量を必要とするため
温暖なローヌ地方は栽培に適していて
ローヌのヴィオニエは
たっぷりとした果実味が特徴のワインに仕上がります
そもそもヴィオニエは
アロマティック品種といわれる
香りが豊かで強い白ブドウで
白桃 アプリコット オレンジなどの甘いフルーツの香りや
ジャスミンやキンモクセイのような
フラワリーな香りがいっぱいします
そんな華やかな香りを
若いうちから楽しむ早飲みタイプのワインです
ヴィオニエの特徴は
温暖なエリアの白ワインらしく
酸味が穏やかで厚みがあり
リッチで肉付きの良い仕上がりです
グラスに注ぎ入れると
溢れるように香りが広がるほど
さまざまな香りを感じる複雑性も人気です
甘い南国フルーツの香り
ジャスミンのようなフラワーな香り
たっぷりとした果実味とアルコール量と
コクのある豊かな味わい
糖分が上がりやすい性質のため
アルコールの高さと
果実味を同時に感じることができる
リッチなワインとなります
強く放つアロマティックな香りは
一度飲むと忘れられなくなり
書き手もすっかりヴィオニエ虜になっています（笑）
トロッとした印象があるかもしれませんが
これは良いブドウで造られたため
エキス分が高いからです
このように
白ワインでは珍しいフルボディの味わいとなり
熟成されると
トロピカルフルーツやバニラといった芳醇な香りが楽しめ
熟成期間は2～4年くらいがお勧めです
＠コンドリューとシャトー・グリエ
昔からのヴィオニエの産地である
コンドリューとシャトー・グリエのワインは
ヴィオニエのみの単一品種で造られ
希少で高貴な白ワインを産出しています
コンドリューやシャトー・グリエは
ブドウの収穫量が少なく
特に「焦げた城」の名を持つシャトー・グリエは
一軒の生産者だけが名乗る
希少価値の高いアペラシオンです
また ローヌ地方では
ヴィオニエはシラーとアッサンブラージュされ
コート・ロティなどの有名な赤ワインにも
使用されています
