This is not Soccer
ラグビーワールドカップの観戦のため 来日されている方たちのなかには 機上でラグビーのルールを勉強されている方が おられるそうです 某エアラインの機内ビデオプログラム 隣の席の人に寄りかかって寝て 迷惑をかけている グリーンのジャージを着た大男 そこに この方が忽然と登場して 「ロールアウェイ グリーン! オンサイドに戻れ!」 と一喝します! 隣の女性のマフラーが顔に当たったと 大げさに騒ぐ男性に対しては 「これはサッカーじゃない そんな風に振る舞いたいなら ハリウッドに行け!」 機内のバーで飲み物を注文しているときに 割り込んできた人に対しては 「オフサイド! 順番を守れ」 と笛を吹きます こんなクールな演技をされているのが レフリーのナイジェル・オーウエンスさん 今年48歳のウェールズ人で 書き手と同じ6/18生まれです(笑) 世界最高峰のレフリーで 前回ワールドカップのファイナルの笛を吹き 閉会式ではヘンリー王子から表彰され 今回のワールドカップでも ジャパンとロシアの開幕戦のレフリーを務めました 現役のレフリーのなかで 最も多くのテストマッチ(国の代表同士の試合)を 裁いていて こんな人形ができるくらいの人気ものです! 彼を一躍有名にしたのが サッカーネタ 試合中に 苛立つ選手 不満を持つ選手 行儀の悪い選手に 「This is not Soccer」 と言い放ち それが世界的に大受けして こんなTシャツまで できてしまいました コレ 欲しい!(笑) また 前回ワールドカップの ニューカッスルのサッカーチームの ホームグラウンドで行われた スコットランド vs 南アフリカ戦で レイトチャージ気味のタックルをされて 大げさに地面にダイブした スコットランドのFBに 「あんな風にダイブするなら 2週間後にここに戻ってくるように」 と皮肉りました そんな品のないプレーは ラグビーでなくサッカーの試合でしろ というわけです サッカーの選手が怒るよ!(笑) ナイジェルさんは 試合の流れを大切にして 不必要な笛でプレーを止めず 上手くゲーム全体をコントロールします その巧みさにより 世界最高峰のレフリーと 評価されているのです 確かに彼が笛を吹くゲームでは 息を飲むような上質な時間が 滞りなく流れるような気がします 選手と沢山しゃべり コミュニュケーションをとることで 彼等の感情面も上手に操ります 紳士的で和やかですが 威厳もある声と態度で 気の利いた言い回しを用い 完璧なタイミングで語りかけます そして必要なときには 上述のようなピリッとした皮肉も 欠かしません(笑) 選手に対して敬意を示せば 選手も敬意を見せてくれる あとは笑顔とウィットが その場を和ませる役に立つ と語り
取っ組み合いをして離れない巨漢ロックの二人に 「抱き合いたいならグラウンドの外でやりなさい」 と諭したこともあるそうです(笑) そんなナイジェルさんは 2007年 30歳代のときに 自らのゲイをカミングアウトされました ご自身のゲイをご自身で認めるのに とても苦労されたそうで 薬物中毒や自殺未遂も経験されたそうです 自分がどんな人間かを 受け入れるのが難しかった どうやったら まわりの反応に対処できるか悩んだ けれどウエールズラグビー協会と選手たちが サポートしてくれた と語られていました 彼が見せる優しさの源は そんなところにもあるのかもしれません ナイジェルさんは こうも語ります 「ユーモアセンスと 時々自分自身を笑う才能を 決してなくしてはいけない」 実際に彼は ラインアウトで とんでもないノットストレートを投げた選手に 「私だって あれよりはストレートだ」 と言ったそうです(笑)
自分自身を笑う才能 大切ですね! ナイジェルさんは 今大会を最後にレフリーとしてのキャリアを終え 農場を開いて牛を飼い 引退生活を楽しまれる予定だそうです 彼の最後のレフリングを 決勝トーナメントのどの試合で 見られるのでしょう? 最後の数試合での楽しみが増えました!
高橋医院