宴の終わり
スタジアムの照明が落ちて 閉会式が始まりました 失意の中 メダルセレモニーで 銀メダルを受け取るイングランドの選手たち エデイさんも メダルを授与されたあと 苦笑いしてうつむきながら すぐにポケットに手を突っ込んで ちょっとお行儀が悪いけれど お行儀を気にする気分では なかったのでしょう イトジェのメダル授与の際の行為が ネットで色々と非難されているようですが 彼の気持ちは わからないではありません エデイさん同様 イングランドのジェントルマンとしては 確かに不適切な行為かもしれませんが この4年間 必死に取り組んできたのに こんな結果に終わってしまい 本当に辛い気持ちだったのでしょう 彼は大学でも優秀な成績を収める文武両道で 常日頃から人格も高く評価されていると 言われています その彼が あの場でこういう行動をとったことは ある意味で訴えかけるものがあると 書き手は思います ジェントルマンだって 人間ですからね うなだれながらも 姿勢をきちんと正した (エデイさんは腕組みをしているけれど:笑) イトジェをはじめイングランドの選手が見守るなか 初めての黒人キャプテンである コリシ選手を先頭に 南アフリカの選手たちに ゴールドメダルが授与されました
そして遂に コリシ・キャプテンに 秋篠宮さまからエリスカップが渡されます スプリングボクス 歓喜の瞬間です! バックでは 盛大な花火が打ち上げられます シャンパン・シャワー! 選手やスタッフは 本当に嬉しそうです! エラスムスHCも シャンパンをラッパ飲み!
でも シャンパンは ハイネケン製なの?(笑) ドレッシングルームで 歓喜のときは続き 南アフリカの大統領やヘンリー王子も 祝福にかけつけます スピーチを望まれ 選手たちからマイク代わりに手渡された ハイネケンのボトルを掲げるヘンリー王子 コリシ・キャプテンが撮る集合写真に 南アフリカ国旗柄のパンツ姿で加わるデクラーク 意外に下腹はポッチャリ?(笑) デクラークは このパンツ姿で エリスカップにシャンパンを注いで大はしゃぎ! ヘンリー王子がお祝いに来ても パンツいっちょで応対していました(笑) ヘンリー王子の祝福を受ける コリシ・キャプテン 彼は 幼少期の経済的な環境が 厳しかったそうですが 頑張って勉学やスポーツに励み カラードとしては初めて スプリングボクスのキャプテンになったそうです インタビューでの受け答えや レフリーとの対応で垣間見られる 真面目で謙虚な性格が 多くの人たちから高く評価されているとのこと 今回の試合後のインタビューや記者会見では スプリングボクスの強さは 多彩な人種で構成されるチームの 団結によるもので 自分たちが成し遂げた優勝が 必ず母国の南アフリカの社会を団結させ 良い方向に向わせると信じていると 真摯な表情で 素晴らしい答えを語っていました 隣に座るエラスムスHCは わすか1年前に就任して やや低迷気味だったスプリングボクスを 見事に復活させました そして 自らキャプテンに任命したコリシ選手を 褒めたたえていました 彼がHCになってから スプリングボクスは成熟したと 多くの解説者が語っていましたが この大会で引退するそうです まだ南アフリカの社会には 日本人には想像できないような さまざまな問題があるのでしょう アパルトヘイトこそ なくなりましたが 経済面や土地所有などでは 人種間の格差 葛藤が根強くあるという 報道を読んだこともあります スプリングボクスにしても チームのメンバーに 一定の割合で有色人種を入れるように 政府からお達しがあるという話も 聞きました コリシ・キャプテンが言っていたように 今回のスプリングボクスの優勝が 南アフリカの社会に良い影響を与えることを 願わずにはいられません 一方 記者会見での イングランドのエデイさんとファレル・キャプテン 先週の素晴らしかったイングランドは どこに行ってしまったのか? と記者から聞かれ 南アフリカが強かったのは間違いないが イングランドがどうして負けたのかわからない でも ラグビーにはこういうこともある と悔しそうに答えていました あと一歩で栄冠を取り逃がしたエデイさん その思いは いかばかりか? そして しばらくしたら 負けた理由の探究が始まるのでしょう イングランドは セミファイナルのオールブラックス戦で 無意識のうちに 燃え尽きてしまったのかもしれません クオーターファイナルで アイルランドを圧倒しながら セミファイナルでイングランドに完敗した オールブラックスもそうでしたが 前の試合で良すぎると 次の試合では力を出しきれないことが あるのではないでしょうか? いずれにせよ 今日は Go Bokke!でした(笑) 44日間にわたった素晴らしい宴が終わり 寂しさを感じながら 幾度となく通ったスタジアムをあとにします 出口では 相変わらずこんな光景が(笑) いったい何本のハイネケンが 大会期間中に飲まれたのでしょう?(笑) 新横浜駅への岐路では 多くのラグビーラバーたちが 余韻を楽しんでいました そこで 試合前に書き手の白いジャージを揶揄した ワラビーズサポータに再び出会いました 酔っぱらった彼等に 「ジャージの色を変えたのに また負けちゃったね!」 と またしてもいじられましたよ(苦笑) 新幹線のホームでも ラグビーラバーの交流は続いていました たかがラグビー されどラグビー 贔屓のチームが負けても ラグビーを愛する気持ちがあるので 勝った相手をリスペクトできます それがラグビーの良いところ そして たかがワールドカップ されどワールドカップ ワールドカップで優勝をつかむには 運の影響も大きいのでしょう 4年間の頑張りが 実を結ばないチームの方が多いのです テストマッチで勝つことと ワールドカップで優勝することは 似て非なることかもしれません 普段のテストマッチで勝つためには 自分たちのプレースタイルを 高めればいいのでしょうが ワールドカップで勝つためには それだけでは足りないのかもしれない 自分たちのプレースタイルを高めることが 日々の鍛錬の目標だけれど でも ワールドカップで勝ちたい どうすればいいのか? 4年後のワールドカップを目指して 各国の試行錯誤が もうすぐに始まることでしょう 新横浜駅の近くで スタジアムで話したイングランドサポーターとも 再び出会いました 残念だったね と話しかけたら That is life と 少し寂しそうに答えます そうだね それが人生だね Next time! と言葉をかけると そうだ Next time!だと 笑ってくれました 日本での残りの時間を楽しんでね! あーあ ラグビーワールドカップ 遂に終わってしまいましたね 主催団体のワールドラグビーは 今回の日本大会をとても高く評価してくれたし 来日した多くの外国人たちが 日本のホスピタリティーを誉めてくれました 書き手もスタジアムの内外で 多くの見知らぬ外国人から 日本が大好きだよと声をかけられました 嬉しいことです 日本人にとっても 海外の人たちと触れ合う機会が持てて とても良い経験だったのではないでしょうか? 彼等とフレンドリーに接し それを喜んでくれる彼等を見て おもてなしを尊ぶという自分たちの国民性や その大切さを再認識できました 書き手も スタジアムの内外で 多くの外国人と話ができて とても楽しかったし 知らないことをたくさん学べました 一期一会の出会いも 良いものです そして ラグビー好きという共通点のおかげで 初対面でもすんなり打ち解けられるのが ラグビーの良いところ 世界の超一流のゲームを たくさん見れたことは とても素晴らしかったのですが 外国からのゲストたちとの交流も 何気に楽しく印象に残りました そんな楽しい時間が終わってしまうのは やはり寂しいです! しばらくワールドカップ・ロスの時間が 続きそうです?(苦笑)
高橋医院