ウイルスは どのようにして
ヒトからヒトへと感染していくのでしょう?

<ヒトウイルスの感染様式>

ヒトウイルスの感染様式を示す図

@直接感染

一番多い感染様式です

*性交 血液

性交 輸血などにより感染します

HIV ヘルペスウイルス
パピローマウイルス B型肝炎ウイルス
など

 

性交 血液による感染を示す図

*経口 接触

手指 食品などを介し
口腔 鼻腔 消化器から感染します

ノロウイルス A型肝炎ウイルス
インフルエンザウイルス アデノウイルスなど

経口感染を示す図
接触感染を示す図

*飛沫感染

感染者の咳 くしゃみ つばきなどの排泄物が
未感染者の鼻 口 眼の粘膜に達して感染します

ウイルスを含む飛沫核は
5μm以上の大きさです

 

飛沫感染を示す図

インフルエンザウイルス
麻疹ウイルス 風疹ウイルス アデノウイルス
など

 

*空気感染

咳 くしゃみに含まれる5μm以下の大きさ飛沫核が
空中を浮遊して感染します

麻疹ウイルス 水痘ウイルス
一部のインフルエンザウイルス
など

 

空気感染を示す図

 

*垂直感染

感染した母親の血液中のウイルスが
妊娠中や出産時に胎児に伝わり感染します

風疹ウイルス B型肝炎ウイルス HTLVなど

垂直感染を示す図

@間接感染

直接感染に比べて 頻度ははるかに少ないです

感染者のウイルスが
蚊などの媒介動物を介して他のヒトに伝わる様式で

コガタイエカが媒介する日本脳炎ウイルス
ネッタイシマカが媒介する黄熱病ウイルス
などが代表例です

 

間接感染を示す図

<感染力 致死率>

ウイルスの種類により
感染力 致死率が異なります

ウイルスの感染力 致死率により
そのウイルスの社会的悪性度が異なってきます

感染力 致死率ともに高いウイルスが最悪で
ともに低いウイルスは最良

感染力は高いけれど 致死率が低ければ
それほど恐れる必要はありませんが

感染力は低いけれど 致死率が高ければ
充分に注意する必要があります

@感染力 Ro 基本再生産数

1人の感染者が
何人を感染させるかを示す値です

基本再生産数を解説する図

高い順から

麻疹 15
おたふくかぜ 12
水疱瘡 8.5
風疹 6
天然痘 5.8
インフルエンザ 2.8
エボラ 2.5
ノロ 2.0
SARS 1.3
鳥インフルエンザ 1.0

となります

さまざまなウイルスの基本再生産数を示す表

 

@致死率

高い順から

エボラ 70%
鳥インフルエンザ 63%
SARS 10%
おたふくかぜ 1.0%
インフルエンザ 0.1%
はしか 0.1%
風疹 0.07%
ノロ 0.05%

となります

さまざまなウイルスの致死率を示す表

新型コロナウイルスは
感染力は1.5~2.5
致死率は 国や年代により差異がありますが
インフルエンザよりかなり高いが
SARSまではいかない

といった状況のようです

専門家会議のメンバーの岡部先生が
新型コロナウイルスの
*感染力 致死率に基づく生命への影響

*感染対策による経済などの社会的影響
の両方を考慮して
臨むべきだと述べられていましたが

そこの舵取りは 本当に難しそうです

 


					
高橋医院