最近 注目されている
睡眠時無呼吸症候群 について解説していきます

睡眠時無呼吸症候群について説明した図

<どういう病気?>

睡眠時無呼吸症候群は

*なんらかの原因で
 睡眠中に気道の狭窄が起こる

*そのために起こる睡眠中の呼吸努力により
 呼吸中枢を介して呼吸性覚醒が生じる

*その結果として
 睡眠の分断化 睡眠障害が起こり
 質の良い睡眠がとれないので
 日中の過剰な眠気 集中力の低下が起こる

という病気です

睡眠時無呼吸症候群がどういう病気か説明する図
睡眠時無呼吸症候群では睡眠の質の異常が起きていることを示す図


@睡眠時の無呼吸 低呼吸が原因

*無呼吸
睡眠中に呼吸(口や鼻の空気の流れ)が
10秒以上停止する状態

*低呼吸 
もう少しで呼吸が止まりそうな状態です

無呼吸 低呼吸により生じる
上気道の完全閉塞 部分的閉塞
この病気の直接的な原因となります

無呼吸 低呼吸は
1分以上続くこともあります

無呼吸 低呼吸について定義した表


睡眠1時間あたりの 無呼吸 低呼吸の回数を
AHI・無呼吸低呼吸指数と呼び
この指数によって重症度を分類します

無呼吸低呼吸指数について説明した図


@典型的な症状

睡眠中の無呼吸時に
努力呼吸をともない いびきをかくのが 典型的な症状です

「いびき」「無呼吸」がポイントで
他の自覚症状は ほとんどありません

いびき 無呼吸について説明した図

無呼吸は
ノンレムの1 2期 レム期に多く生じ
仰臥位で顕著
多くの場合は 横向きに寝ると減少 消失します

横向きに寝ると減少 消失することを示す図


@病気の本態

無呼吸で生じる低酸素血症による
呼吸中枢刺激と呼吸の覚醒反応の繰り返しで
睡眠の断片化 質の低下が起こるのが
この病気の本態です


@生活習慣病などの原因となる

糖尿病 メタボリック症候群 
高血圧 心血管疾患 
うつ病
などと強い関連性を有しています

ですから 生活習慣病の患者さんのなかに
睡眠時無呼吸症候群の患者さんが
診断されずに隠れている可能性があります

睡眠時無呼吸症候群だと気がつかない間に
心血管疾患を発症させて 
生命予後を悪化させることが問題です

睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係を示した図



<世界各国の状況>

@アメリカ

1993年に行われたWisconsin Cohort Studyでは
*AHI・5以上は 男性24% 女性9%
*眠気ありは 男性4% 女性2%
*治療対象は 男性20% 女性10%
と報告され

最新のSHHS調査では
*AHI・5以上は 男性57.6% 女子36.1%
*男性の有病率は女性の8倍
と発表されました


@スイス

2015年に
*AHI5以上は 男性83.8% 女性60.8%
*AHI10以上は 男性49.7% 女性23.4%
と報告されています



<日本の状況>

@患者数

*成人の2~4%
*男性9% 女性2.8%

*AHI5以上で眠気ありは 17.6%
*AHI10以上は 1.7% (男性3.3% 女性0.5%)

と報告され 増加傾向にあります


@男性

30~60歳代の男性で急増していて
肥満増加による影響が示唆されています


@女性

閉経前女性で
中等度以上の睡眠時無呼吸症候群がある人は
BMIが高く 糖尿病有病率が28倍上がることから
閉経前の肥満女性は要注意とされています

また 閉経後は患者数が3倍増加し
プロゲステロンの呼吸中枢刺激作用の低下
筋力低下
の関与が示唆されています

また 
更年期障害の症状と似ているので要注意です


@65歳以上の高齢者

患者数は64歳以下の2~3倍と増え
重症度も増えます

喉 首周りの筋力の低下
舌根が下がることが影響すると考えられます


@隠れ患者

潜在患者数は300万人ほどで
治療対象の85%以上が未診断とされています

治療を受けているのは30万人(10%)にとどまり
氷山の一角に過ぎず
眠気を伴わない隠れ患者が多く存在すると
考えられています

隠れ患者が多いことを示唆する図


@非肥満者

日本人は下顎が小さいので
非肥満でもリスクが多く
日本人患者の3~4割は標準体重です

非肥満の患者さんは
治療で用いるCPAPのコンプライアンスが悪いようです

また アジア人は白人より多いと報告されていて
下顎などの顔面の骨格が影響すると推察されています


<病型>

睡眠時無呼吸症候群の病型について説明した図
@中枢型 CSAS

心不全 脳卒中が原因で起こり
心不全の悪化により症状が出てくることが
多く見られます

@閉塞型 OSA

気道 喉が閉じてしまうことが原因で
無呼吸 低呼吸が繰り返し起きます

睡眠時無呼吸症候群の90%ほど
肥満と関係があることが多く
生活習慣病と関連があり 相互に悪影響を及ぼします

肥満 男性 加齢 が3大要因とされます

@混合型

中枢型 閉塞型が混合して起こります
高橋医院