新型コロナ・起こり得るメンタル疾患
新型コロナウイルス感染下で 起こり得るメンタル疾患について説明します <起こり得る体調面 心理面の変化> @体調面の変化 疲労 不眠 頭痛 肩こり 腹痛 体の痛み めまいなど @心理面の変化 不安 心配 イライラ 落ち着かない 落ち込む 緊張する 集中できない 意欲が出ない といったことが起こります <起こり得るメンタル疾患> *自殺 *アルコール依存 *薬物依存 *ドメスティックバイオレンス *うつ状態の悪化 などが起こり得ます ウイルスの感染下で徐々に広がり始め 感染拡大が収まってから 爆発的な拡散が始まると予測されています こうした状態が 今後何年も続く可能性があり 少なくとも2年間は高止まりの状態が続くと予想され 専門家は 過去に経験したことがない状態と 分析しています 児童虐待を含むドメスティックバイオレンスも 大きな問題です また 精神的な病だけでなく 肉体的な健康も脅かし 社会的孤立が死亡率に及ぼす影響は 肥満 喫煙 高血圧のそれより大きいとされています @予測される患者数 アメリカでは 既に30%以上の人が なんらかの精神的ストレスを感じているという 調査結果があります コロナ危機がもたらす 精神状態の悪化で予想される犠牲者数は ウイルスによる直接的な死者の数に 匹敵すると予想されます 失業率と自殺者数には 正の相関が見られ 失業率の1パーセントの増加で 自殺者は1.6%増え 薬物の過剰摂取による死者は2~4%増える と推測されています 自殺者は 男性が女性より3倍多いですが 女性の自殺率は ここ20年余りで男性の倍に増えています 自殺とアルコール・薬物の過剰摂取による死者は 万単位の数になると予想されています ちなみに アメリカでは 精神科クリニック 薬物依存者厚生施設など90%以上が 資金不足による事業の縮小を余儀なくされていて 最も貧しい人々が最大の打撃を受けてしまうと 危惧されています 日本の現状は どうなのでしょう? <感染者 その関係者へのメンタル支援> 新型コロナウイルス感染で一番心配なのは 実際に感染された患者さんや その関係者の 心理的ダメージです 患者さんは 自己の病状に対する不安 恐怖 他者へ感染させることへの不安 感染したことに対する自責の念などにより 抑うつが生じる可能性があります さらに 隔離下におかれると孤立感を感じて 心理的影響が生じてきます また 感染すると 患者さん本人だけでなく 家族等の周囲の人々への心理的影響も危惧されます さらに 回復後にも社会からの差別によって 長期的に心理的的苦痛を抱える可能性があります これらへの対策としては できる範囲で生活リズムを整えたり リラックスできる活動や楽しめる活動を取り入れる 患者さんに 隔離の必要性とその理由を理解してもらうことは 心理的苦痛を和らげることにつながります また 電話 メール ソーシャルメディアなどを用いて 家族や親しい人とのコミュニケーションを維持することも 役立ちます
高橋医院