新型コロナ・メンタルの危機
当院に来られる患者さんたちの お話をうかがっていると 最近 在宅勤務の頻度が再び増えている方が多いようです 健康管理の観点から 在宅勤務でいちばん気をつけないといけないのは なんといっても体重が増えることで その点の注意はブログでご紹介しましたが 最近に気なるのが 在宅勤務が増えることで新たに不眠になった 睡眠薬を飲まなくても眠れるようになっていたのに また欲しくなった という方が増えてきていることです こちらも気になって いろいろと調べてみると 新型コロナにともなうメンタルヘルスの危機が 大きな問題になってきていて WHO CDC 日本精神神経学会 カウンセリング関連団体などが 声明やガイドラインを出しています 少しご紹介しようと思います <新型コロナウイルス感染がメンタルヘルスに及ぼす影響> 新型コロナウイルス感染は 人々の不意を突き 感染の恐怖を与え 自宅に籠らせ 家族や友人から引き離される悲哀を与え 減給や失業の可能性に怯えさせ 世間を暗いニュースの洪水に溺れさせ 退屈と不安と孤独で人々の心を責めさいなみます 恐怖 不安 就労 就学や日常生活への影響や 事態の進展予測の困難さが 極めて強いストレスをもたらすとされます また 社会的 身体的な接触の低減が要求される自粛生活は メンタルヘルスの維持にとって重要な対人交流を阻害し 強い孤立感 孤独感を生み 種々のストレス解消の機会を奪います アメリカでは タバコやアルコールの売り上げが上昇し 銃もよく売れているそうです 特に 新型コロナウイルスは未知のことが多いため なおさら不安や恐怖が強まりやすく はるかに多くの社会的混乱を及ぼし得るし 長期に渡る隔離はメンタルヘルスを脅かし 不安障害や強迫性障害がある人は 影響を受けやすいそうです メンタルヘルスへの影響の大きさは 経済状態がどこまで悪化し それがいつまで続くかによると考えられています <具体的に起こり得るメンタルヘルスへの悪影響> 新型コロナウイルスの *感染そのものにまつわる不安 恐怖 *経済面 生活面の不安 *将来に対する不安 などが 個人の健康や家族の生活に悪影響を及ぼします 経済 生活面への甚大で長期な負の影響は 抑うつ傾向を増悪させる要因となり うつ病の発症に繋がるリスクが大きいと懸念されます また 不安や恐怖だけでなく 行動が制限されることによるフラストレーションで 普段より落ち着かず 焦燥感や怒りを感じ易くなります 外出自粛や家族内ストレスの高まりを背景に 家庭内での衝突も起こりやすくなり ドメスティックバイオレンスや児童虐待の 悪化や増加が懸念されます 一方で 自身の健康状態に関する過度な不安や懸念も生じやすく 長引く感染症の蔓延は 「将来の健康を気にしても仕方がない」等の考えによる 健康観の変化や不健康な習慣の悪化を招きかねません 実際に高血圧や糖尿病の患者さんが受診を控え 病気が悪化してしまう危険性が報告されています さらに 価値観やモラルへの悪影響をもたらす可能性もあります 健康であった人が精神疾患を発症したり 精神疾患を患っていた あるいは寛解状態にあった人が 再発・悪化してしまう場合があります 目に見えないえない感染への恐怖 隔離され自由を奪われる体験 罹患者やその家族等に対する偏見 スティグマ 中傷にさらされる体験は 外傷的な出来事 体験として 心的外傷後ストレス反応(PTSD)を 引き起こすリスクとなると懸念されているそうです
高橋医院