コロナ危機下でも上昇する株価の不思議
コロナ危機下で実体経済が酷い状況になる中で 世の中に余っている投資マネーは どこに行くのでしょう? <実体経済が悪いのに株価が上昇する市場の怪> 温存されたマネーは 株式市場に回っているそうです そのせいで コロナ危機でいったん下落した世界の株価は 危機前の85%まで回復しましたが IMFは 株価は実体経済と乖離していると 指摘しています GDPが下がっていて 失業率が20~25%にも上がっているのに 株価が上がっているのはおかしな状況で 株価だけを見ていたら 上手くいっていると勘違いしてしまう 居松さんは マーケットというものは 合理的でない過去に縛られ 偶然の出来事に因果関係を見出し 必然と思ってしまう この人間の性から逃れるのは難しい と指摘されます ドイツのヘルマンは マーケットは まるで動物の群れのようなものだから 個人投資家は その群れにならっていれば儲けることは可能で 群れの方向が正しいかどうかは関係ない と指摘され セドラチェクは 私有の概念を信じ 競争は良いことだと信じている限り 資本主義は機能し続ける 経済的価値というものは 実態と願望の二重写しであると ちょっと難しいことを言います 森田さんは 株価と実体経済の乖離の大きさは 過去最高水準にあるが この乖離は 実はコロナ以前から始まっていた と指摘されます V字回復したかに見える世界の株式市場に回るお金は 先進国の量的緩和政策により あふれたお金に他ならない 長期金利が下がるにつれ 株価と実体経済の乖離の大きさは増していく と 嘆かれるかのように語られます そして 金利を下げる方針は終着点にたどり着いた と指摘されます 一方 スティグリッツは 政府が市場に出回らせたお金は 思惑である商品を買うことには使われていない と指摘します 人々は消費したがらず 事態がさらに悪化したときのために貯蓄している そして こういう状況なら株式市場に投資した方がよい と考える人たちが投資するので株価が上がる また ファーガソンさんは 中央銀行が金利を事実上コントロールしていて 市場が決めているわけではない 相場の多くは人工的なもので 中央銀行にコントロールされているということ アメリカでは 中央銀行が介入し始めてから 金利 株式市場が 経済の現状とかけ離れていて 株式市場は現実とは反対のことを伝えている と指摘されます ここでナレーターが語ります どれほど低金利の好条件でお金が借りられても それを欲する人がいない世界が到来したのか? 「投資マインドがゼロの世界」 これは 資本主義の危機ではないか? <ポストコロナの世界ではバーチャルだけが夢を見る> ファーガソンさんは コロナ危機下では オンラインでの消費が大幅に増加している 今後の景気回復の指標はそこにあり 従来の小売業よりオンラインでの消費が増えるだろう パンデミックが収束しても もう以前のようには戻らない アイデアという形のないものが商品となる時代で リアルの価値が下がり ネット空間で生まれる価値が上がる パンデミックは 仮想世界の新たな領域の成長を加速させ ここで富が生まれる と指摘します セドラチェクも 労働は既にバーチャルな領域に移行している と指摘します 再度 ナレーターが語ります 現実から乖離し 実体から遊離した社会 あらゆる事柄が数値化されデータ化される バーチャルな世界 そこでは 即物的なリアルなものとの接点はなくなる 資本主義は 自ら生み出すギャップを 分化することで埋めるのか?
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