青インクの匂いがするスペインワイン
ワインの歴史や科学の話が終わったので 今日からさまざまな国のワインを 紹介していこうと思います ワインといえば フランスやイタリアですが 天邪鬼な書き手は(苦笑) スペインのワインから紹介します スペインは フランス・イタリアと並んで 世界3大ワイン生産地になっています ワイン生産量は イタリア フランスに次いで世界3位で 年間生産量は 約40億リットル 日本の47倍もあります スペインワインの醸造技術が 飛躍的に進歩したのは19世紀後半で 既に紹介したように フランスでフィロキセラが発生したので フランスのワイン醸造者たちの多くはスペインに移住しました 彼等により 樽熟成をはじめとする高度な醸造技術が導入され スペインワインは着々と 近代化への道を歩み始めましたとされます ちなみにスペインでは ワイナリーのことをボデガと呼びます スペインワインといえば リオハのワインがいちばん有名です <リオハ> リオハは スペイン最古のワイン産地で 現在もスペインで最高級のワイン生産地として 世界中に知られています リオハといっても どこにあるのかイメージできないでしょうが フランスとの国境から程近い スペイン北東の内陸部にある エブロ川沿いに広がる地域です この地域は 年間を通じて涼しく 雨が比較的多く 四季があり 緑が多い「グリーン・スペイン」と呼ばれる エリアの一画を成しています 太陽の光がさんさんと輝く乾燥した地という 一般的なスペインのイメージとは 少しかけ離れた土地です スペインでも 原産地呼称制度と呼ばれる ワインを格付けするための厳しい制度があり その格付けのなかで最高に位置するワインが 特選原産地呼称(D.O.C.)に指定されたワインですが リオハはスペインで唯一 D.O.C.ワインを生産する産地に指定されています リオハのワインは テンプラニーリョという黒ブドウの品種で作られます リオハ・ナバーラ地方原産のスペイン最高の黒ぶどうで スペインのブドウ畑のうち 約2/3を占めるのがテンプラニーリョです スペインの高級ワインは ほとんどこの品種を原料としています 厚い皮で覆われ 光沢のあるブラックベリーのような色をしています できるワインは 繊細で非常に香りがよく 酸度が高く タンニンも豊富で長期熟成に耐えられます アルコール度は13度程度まであがり 色も濃く しっかりしたとした味わいの 赤ワインに仕上がります テンプラニーリョの意味は 早熟 北方を起源とする大西洋品種であるため 成熟期間が短くそのため早熟です リオハのワインは 伝統的にアメリカンオーク樽で長期熟成され 複雑で深い味わいのワインが多いです その香りは 「スモーキーな」「ココナッツのような」 「キャラメルのような」「木や皮のような」 などと表現されますが 書き手はどなたかが 「万年筆の青インクの香り」と表現されたのを聞いて まさに言い得て妙!と膝を打ちました そう リオハのワインは 独特な青インクの香りがするのですよ! そんなにしょっちゅう飲みたいとは思いませんが ときどき無性に 青インクの香りを嗅ぎたくなります(笑) <リアス・バイシャス> スペインを代表する赤ワインがリオハなら 白ワインは リアス・バイシャスです! スペイン北西部 ガリシア地方に位置するリアス・バイシャスでは 最新のワイン製造方法 徹底的なワインの品質管理法を駆使し 最高級の白ワインが生産されていて スペインで最も上質な白ワインの産地とし知られています このワインは 酸に富んで 非常にすっきりとした味に仕上がっています 書き手は 昔 ガリシア地方を旅したときに 現地でこのワインをいただいて そのすっきりとした上品な爽やかさに圧倒されました ブドウは アルバリーニョ種が100%使われています アルバリーニョ種を100%使用した リアス・バイシャスのワインのラベルには 「アルバリーニョ・ブランコ」と表示してあります とても香りが高くて 酸味も豊富で 口あたりの良いバランスの取れた辛口白ワインで ガリシア地方の海産物を使った料理との相性は抜群でした 爽やかさが表に立つので 和食との相性も良いと思います お値段的にもそれほど高くないので 是非お勧めです!
高橋医院