バローロ バルバレスコは
ネッピオーロという赤ブドウで造られます

<ネッピオーロ>

ネッピオーロは
バローロやバルバレスコにも使用されている
アルバ原産の赤ブドウ品種で

ブドウ畑で栽培されるネッピオーロ

ネッビオーロの栽培は
ほぼピエモンテ州に限定されています

ネッピオーロについて説明した図表


テロワール 土壌 気候の影響を受けやすく
ブルゴーニュの主要品種の
ピノ・ノワールに似ているとされます

畑の位置に敏感とされる品種で
発芽時期が早いのに収穫時期が遅い晩熟型で
日照が不足する北向きの斜面では優れたブドウが生まれず
病害のリスクも高いという気難しい性格を有していて

標高250mから450mの丘の上部で
南向きか南西向きの斜面にある畑で栽培されます

ネッピオーロが栽培されている斜面の畑


オーストラリア アメリカ 日本などでも
栽培が試みられていますが
世界中のワインファンから評価されるネッビオーロは
まだ誕生していません


一方で ローカルな品種で
限られた北イタリア地域でしか輝きを発揮しないネッビオーロは
地元の人々の強い誇りとなっています


ネッピオーロのワインは
世界でも最も渋みや酸味が強く
若いうちは とっつきににくい反面
熟成を重ねることで傑出するワインに豹変します

ネッピオーロの風味 味わいについて説明した図


果皮が厚く 種に含まれるタンニンも多いため
醸造次第でタンニンの荒々しさが出てしまう
非常に繊細な品種です

ネッピオーロの果実

酸味や渋みも大変に強く 色調は明るいのに
びっくりするほどのボリュームを感じます


土壌によって全く異なる性質のワインができるのも特徴で
土壌や気候といったテロワールを表現しやすい品種であることから
ブルゴーニュを代表とするピノ・ノワールと同じく
ブレンドされずに単一品種でワインが作られることが多いのも特徴です


ネッビオーロで造られるワインの外観は
色が明るめで
若いうちでもオレンジがかったガーネット色
褐色がかった紫色を帯びるのが一般的で
熟成の進んだブルゴーニュのような外観を示します

ネッビオーロで造られるワインの外観
グラスに注がれたネッビオーロワインの色合い


バラやチェリーの芳香があり
熟成によってキノコ タバコ トリュフ プルーンといった
複雑性に富んだ香りへと変化していくのが魅力です

ネッビオーロの香りについて説明した図


最大の特徴は しっかりとした酸と豊富なタンニン
アルコール純度が高く
充分な熟成に耐え得るネッビオーロのワインは
まさに「高貴」という言葉がぴったりです

ネッビオーロのタンニンの強さについて説明した図


<ピエモンテの白ワイン>

@ガヴィ

ピエモンテの南東部に位置する
ガヴィで造られる辛口白ワインで

ガヴィが造られる畑の位置を示した地図


ガヴィに昔から生息している白ブドウ種のコルテーゼ
100%使用しています

コルテーゼのブドウの実

石灰質の土壌の影響か
ブルゴーニュのシャブリと同様に
クリスピーな口当たりがあります

透明感のある緑がかった麦色の辛口白ワインで
グレープフルーツやパッションフルーツなどの
柑橘系アロマを感じさせるフルーティーさもありつつ
ハーブ系の香りも感じられます

ガヴィの色合い

大変に繊細ですっきりした酸味とシャープな味わい
後味までスッキリとしています

ガヴィの色合い・その2

酸味だけでなく
石灰質土壌特有のミネラルも
しっかりと感じられるのが特徴です

丘陵でガヴィを楽しむ人々

ワイナリーによっては
長期の熟成後に飲む方がいい場合もありますが
多くは早飲みのワインで
瓶詰めから3年くらいで
フレッシュさを楽しむべきワインと言われています


@モスカート・ビアンコ

人気が高い甘口のアスティを生み出す品種で
非常に香りが高く 麝香や白い花の香りが特徴的な
甘口ワインです

モスカートのブドウの実

*スパークリングワインのアスティ・スプマンテ

アスティ・スプマンテ のボトル

*微発泡ワインのモスカート・ダスティ

モスカート・ダスティのボトル
アスティ・スプマンテとモスカート・ダスティの差異を説明した表

*スティルワインのヴェンデンミア・タルディーヴァ

ヴェンデンミア・タルディーヴのボトル

があり いずれも香り高い甘口です


モスカートはマスカットの別名ですが

モスカートのブドウの実

本当に香りが高く上品で
先日ご紹介したグラッパでも
大変美味しいものが造られます

モスカート・ビアンコは 書き手の大のお気に入りです!
高橋医院