あるとき、30代の女性が低カリウム血症による意識障害で搬送されてきました。

若い女性の低カリウム血症で、多いのは痩せたくて利尿剤の汎用や下剤の汎用が多いです。でも、その感じはありません。

治療を続けていき、意識ももどったのですが、入院して3日目のことでした。

“シーツから手が出てきて、捕まえようとする!”と不穏になっていて、呼ばれました。

“あっちにも、こっちにも腕が、手が、うごめいている”と、真っ青になり、パニックになっています。

もちろん、私には腕や手は見えません。でも本人には、見えていて“ほら、ここにも”と怖がっています。

あ!これはアルコール離脱症状だと気づき、すぐにお薬をいきました。

アルコールの離脱症状とは、アルコール中毒の人の体からアルコールがなくなると、落ち着かなくなり虫がみえたりします。

だいたい、アルコール飲まずの3日目に起きることが多いです。

バカ力で、動かない固定されているベッドが持ち上がることもあります。

アルコールは人並み量と聞いていたのですが、実はアル中だったとは・・

しかも肝機能は動いておらず、お酒に強い?タイプ・・

地方にいるお母さまが来院。

彼女のひとり暮らしの部屋に行ったところ、ものすごい汚部屋で、

しょうちゅうの空き瓶や缶ビールなどがやまずみで、全く床が見えず、

トイレも一度も掃除したことがない状況だったそうです。

一方、会社には、きちんといっており、身なりもきちんとされていたようです。

母が、きっぱり、“娘を田舎につてれ帰ります。”と退院されていきました。

高橋医院