中央区・内科・高橋医院の
お酒と健康に関する情報


お酒は適量なら健康に良いですが
アルコールを代謝するのは肝臓ですから
過度の飲酒はアルコール性肝障害を引き起こします

健康診断でγGTP値が、、、
という方もたくさんおられるでしょう

既に解説したように
アルコール性肝障害は 
肝硬変や肝がんに進展し得る怖い病気です

欧米の研究では
1日に飲むアルコール量80g未満をコントロールとすると

80~160g飲む人は 約5倍
160g以上飲む人は 約25倍

肝硬変になるリスクが上昇することが
明らかにされています

ビールグラスの中に浮かぶ肝臓

ちなみに日本では
1日平均150g以上のアルコールを飲む人を大酒家と呼び
全国で240万人がこの範疇に入ると推計されています

1日150gのアルコールは
日本酒5合 
ビール大びん5本 
ウイスキーダブル5杯
を上回る量です

結構 大酒飲みの方はおられるのですね!
もちろん 
こうした方々は肝硬変になるリスクがとても高い!

ということで
お酒を飲み過ぎると
確実に肝硬変になりやすくなるわけですが


では どれくらいの量のお酒を飲むと
肝硬変になってしまうのでしょう?

欧米では上記の研究結果をもとに
肝硬変にならないですむ 1日の飲酒量の上限 
アルコール 30g 程度と見積もっています

日本でも1日 40g 程度とされています

先回ご紹介した節度ある飲酒量・1日20g」倍量

節度ある飲酒量の目安

日本酒2合 
ビール中瓶2本 
ワイン2/3本 
ウイスキーダブル2杯

この量を越えると 危険です

但し 肝臓のアルコール分解能力は体重に比例するので
女性など体が小さい場合はより少なめになります

徹底して長生きしたいなら 
1日20g に留めておくし

アルコールを楽しみたい方でも 
1日40g に留めておく

皆さん 大丈夫ですか~?


また「積算飲酒量」という概念も 
業界では重視されています

一生涯で肝臓がどれだけアルコールを処理したか
その量によって肝硬変への進展のリスクを推し量ろうという
コンセプトです


まず1日あたりの純アルコール摂取量(グラム)を計算します

計算式は
「飲んだお酒の量(ml)」x「そのアルコール濃度(%)」x 0.8

たとえば 1日にビールのロング缶を1本飲むと
500ml x 0.05(5%) x 0.8 = 20グラムの純アルコールを
摂取したことになります

ロング缶2本を毎日欠かさず1年間飲み続けると
20グラムx 2 x 365日= 14600グラム= 14.6Kg
の純アルコールを摂取しています

積算飲酒量が 500Kg を越えると
肝硬変になるリスクが高いと言われています

*ロング缶2本を毎日だと 34年間

*ワインボトル1/3本を毎日だと 約50年間

*日本酒3合を毎日だと 約20年間 

で危険領域です

再度 皆さん 大丈夫ですか~?(笑)

肝臓に降り注ぐアルコール

書き手とこれまでにご縁があった患者さんのなかには
積算飲酒量が1トンを越えているツワモノが
何人かおられました

左利きの皆さんは 
一度ご自分の積算飲酒量を計算されてみて
肝臓がつらい思いをしなくてすむように
節度ある飲酒を心掛けてください


高橋医院