砂糖はどれくらい摂ってもいいか?
中央区・内科・高橋医院の 健康のための栄養学に関する情報 オーストラリア人のデーモンさんが作製された 砂糖過剰摂取の実験ドキュメンタリー映画の紹介を してきましたが 最後に 映画ではあまり紹介されていなかった 推奨砂糖摂取量について解説します 世界保健機構・WHOは 2015年に砂糖摂取量ガイドラインを改訂しました 同ガイドラインでは 現代人の砂糖の摂りすぎに警鐘を鳴らし 1日の総摂取カロリーの 10%以上の糖類を摂取することで 肥満やむし歯になる確率が急上昇すると 注意を促してきましたが 今回の改定で 従来は1日総カロリーの10%だった砂糖摂取量を 5%に減らしました 量として 25g 程度です ここで言う砂糖とは ブドウ糖 果糖などの単糖類 ショ糖 麦芽糖 オリゴ糖などの二糖類などで 砂糖はもちろん 蜂蜜シロップフルーツジュースなど 人工的に添加された甘味料も含みますが 乳糖は含まれていません 1日に25gの砂糖 イメージできますか? ティースプーン6杯分 角砂糖6個分 です 代表的な飲料 食品の 砂糖含有量を見てみると *コーラ・250ml 25g *スポーツドリンク・500ml 33g *缶コーヒー 15g *コーヒー牛乳 16g *野菜ジュース100%濃縮還元果汁ジュース 25g *飲むヨーグルト 24g *栄養ドリンク 16g *メロンパン 16g 1日25gなんて 簡単に越えちゃいそうですね?(苦笑) なかなか厳しい基準であることが お解りいただけることと思います また 摂取される糖分の大半は 菓子と見なされないような 加工食品に含まれているのが落とし穴で 調味料などにも 隠し味的に砂糖が使われていることがあります たとえば トマトケチャップ大さじ1杯 濃縮めんつゆ大さじ1杯には それぞれ4gの砂糖が含まれていて 冷凍ピザ パン スープ マヨネーズなどにも 砂糖は使われています 食品に含まれる脂肪の量に対する 消費者の意識が高まり 食品メーカーは脂肪含有量の低い製品を 作るようになりましたが 足りなくなった風味を補うため 砂糖が使われることも少なくありません 現代社会の食生活が 如何に砂糖を過剰摂取しやすいものか ご理解いただけたのではないでしょうか? 推奨砂糖摂取量の基準は ヨーロッパではアメリカより緩やかで ハンガリー ノルウェーでは 7%~8%未満 スペイン イギリスでは 16%~17%未満 ポルトガルでは 25%未満 となっています ポルトガル人は 甘いお菓子が大好きですからね(笑) 日本では どうかというと 食事摂取基準には なんと 糖類摂取量基準は盛り込まれていません 日本では 食事摂取基準で数値を算定できるほどの 十分な科学的根拠は得られていないからで 食事摂取基準で 糖類摂取量基準が策定されていないから 消費者庁が実施している 食品の栄養成分表示にも 糖分表示は義務付けられていません 確かに日本人の砂糖摂取量は 世界でも低いランクにありますが 最近は子供の肥満が問題視されていますから そろそろ砂糖摂取量にも気を配り 食品の栄養成分表示にも 糖分表示を義務付けし 社会全体で 子供への食の教育をさらに推進した方が 良いと思います 糖分を摂りすぎれば 病気のリスクが増え 肥満 糖尿病 心血管疾患のリスクが 増えていることは 明らかなのですから 甘い誘惑にのらないよう 子供の頃から習慣付けすることが大切です 最後に 砂糖過剰摂取への対処策をご紹介します *糖分の多いジュース類をやめて お茶や水などの糖質フリーな飲み物を選ぶ *スポーツドリンク 栄養ドリンクにも要注意 *市販のコーヒー牛乳をやめて 牛乳にコーヒーを加えたものにする *フルーツジュースやゼリーをやめて 生の果物にする *飲むタイプや甘みのついたヨーグルトは プレーンヨーグルトにする *市販のめんつゆは 濃い目にとった天然のだし汁 糖類の少ない顆粒だしにする *生地の甘い菓子パンは ドライフルーツやナッツ入りの食事パンにする 味の濃い食品や加工食品ばかりを食べていると 知らぬ間に 大量の糖分を摂ってしまうことになるので 一見甘くなさそうな食品でも要注意です そして 以下の食品を習慣的にとっている方は すでに糖類過剰な食生活となっている可能性が ありますから 是非 食生活を改善してください *菓子パン *ジュース類やスポーツドリンク *甘みのついたコーヒー・紅茶・加工乳など *乳酸菌飲料・甘みのついたヨーグルト *栄養ドリンク 読み手の皆さん 大丈夫ですか? 甘いものは頑張ったときのご褒美として たまに食べる それくらいにしておいた方が体には優しく 肥満や糖尿病のリスクも避けられます 頑張りましょう!
高橋医院