なぜ 糖質ダイエット?
中央区・内科・高橋医院の ダイエットに関する情報 今やダイエット界のスター的存在の 糖質ダイエット 肥満や糖尿病の治療を目的として 糖質の摂取比率や摂取量を 制限する食事療法です では 糖質ダイエットの 何がそんなに優れているのでしょう? @危険な食後の急峻な血糖上昇を抑制できる 糖質ダイエットの目的は 食後の血糖値 インスリン分泌の動きの コントロールです なぜ 食後の血糖値 インスリン分泌の動きの コントロールが必要なのでしょう? 食後の高血糖 それにともなう多量のインスリン追加分泌は 肥満 糖尿病の誘引になるのみならず 血糖値の乱高下は 酸化ストレスを誘導し 動脈硬化等の危険因子になるからです また 高血糖だと タンパク質が糖化されて AGE(終末糖化産物)が作られます AGEは 血管内皮細胞を傷つけ 酸化ストレスも誘導します さらに いちどAGEが血管にこびりつくと 長期間分解されずにとどまるので 動脈硬化のリスクがいっそう高まります ですから AGEが作られてしまうような高血糖状態に 一度でもなると そのあと血糖値が改善しても AGEによるダメージは秘かに持続してしまう このように 食後の血糖値 インスリン分泌のコントロールが 重要ですが カロリー制限食では 食後の急峻な血糖上昇が起きてしまう なぜなら カロリーを制限しているだけで 血糖上昇の直接的な原因である 糖質を制限していないから 危険な食後の急峻な血糖上昇が 生じないようにするためには 糖質を制限するのがいちばん効果的である という考え方です @インスリン分泌を抑えることで 体内の脂肪蓄積を防ぎ 太らせない 確かに 動脈硬化をまねいてしまう 食後の急峻な血糖上昇を防ぐために 糖質ダイエットが有用なのはわかりましたが では 糖質ダイエットは どうして肥満を解消できるのでしょう? その疑問に答えるためには ヒトはなぜ太るか? を明らかにする必要があります ヒトが太るのは カロリーを過剰摂取するからでなく 血糖が上昇し インスリンが分泌し インスリンの働きで脂肪が蓄積するからです インスリンは 余剰の血糖を脂肪細胞に取り込んで 中性脂肪に合成して蓄えますから 内臓脂肪を蓄積させて太らせてしまいます 血糖値を下げるインスリンは 肥満を誘導するホルモンでもあるのです 太ると悪玉アデイポカインの影響で インスリン抵抗性になり そうなると ますますインスリンが分泌されるので さらに太る という悪循環が形成されます そして インスリンを分泌させるのは 脂質でもタンパク質でもなく 糖質です だから 糖質を制限すれば 危険な食後高血糖が防げるだけでなく ヒトを太らせるホルモンのインスリンの分泌も 抑えられる @エネルギー源として脂肪を利用させることで 痩せられる 糖質ダイエットのメリットは もうひとつあります 糖質摂取が制限されると エネルギー源の糖質が減りますから エネルギーが必要になったときに 脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪の脂肪酸が エネルギー源として燃焼され 肥満が解消されるのです このように 糖質ダイエットのメリット は @危険な食後の急峻な血糖上昇を抑制できる @インスリン分泌を抑えることで 体内の脂肪蓄積を防ぎ 太らせない @エネルギー源として脂肪を利用させることで 痩せられる の3点に要約できます なかなか強力かつ論理的な理論武装ですね 書き手は勉強していくうちに これを思いついた人は凄いなと 素直に思うようになりました(笑) 糖質制限ダイエット論者にとっては 糖質は単なる悪者です カロリーを制限しても 糖質を制限しないと意味がない そもそも糖質は 体内で糖新生により産生できるので 必須な栄養素ではなく「嗜好品」 という考え方のようです 以前 砂糖の映画の話題で言及しましたように 糖質は食べると幸せな気分になりますし ないと欲しくなる まさに 嗜好品的な側面があるかもしれません
高橋医院