なぜ 寝る前に食べると太るのか?
中央区・内科・高橋医院の 健康のための栄養学に関する情報 糖尿病や肥満を指摘されて 当院を受診される患者さんに 日常の食生活のパターンをうかがうと 夜遅くに ヘビーな食事をされていることが多い それが いちばん太る原因なのですよ! と 忠告することになるのですが でも先生 どうして夜遅く食べると 太るのですか? そんな具合に切り返されたら どうしましょう?(笑) 患者さんからの そうした的をついた質問に きちんとわかりやすく解答するためには 時間栄養学の知識を得ておく必要があります 時間栄養学 ってなんだ? 多くの読み手の方は 初めて聞かれる言葉だと思いますし お医者さんでも 知らない方もおられるかも? 今日からしばらく そんな未知の世界をご紹介しようと思います さて 時間栄養学の専門家が 書かれた総説等を読むと これまでの栄養学のポイントは 何をどれだけ食べるか だったけれど これから大切なのは 何を いつ食べるかである といったことが 必ず書かれています *朝食を食べないと どうして健康に良くないのか? *夜遅くに食べると どうして太るのか? *朝食 昼食 夕食で それぞれ どんなものを食べると良いのか? 時間栄養学では そうしたことを明らかにしていきます こうした分野の研究が発展してきたのは ヒトや動物の体内には 体内時計が存在していて 睡眠のみならず さまざまな体の機能が 24時間周期で変動していることが 明らかにされたからです 昨年度のノーベル賞が贈られた研究により Bmal1 / Clock と Period / Cryptochrome という 4種類・2組の遺伝子の働きにより 日内変動 サーカディアンリズムが 形成されることが示されました この点については 以前に説明しましたので参考にしてください 重要なポイントは 日内変動をつかさどる遺伝子が 糖や脂質の代謝をつかさどる酵素の働きにも 影響を及ぼしていることです つまり 糖や脂質の代謝にも 睡眠と同じような 日内変動があるのです だから 同じ食物 栄養素でも 朝食べるのと 昼食べるのと 夜食べるのでは 代謝のされ方が異なってくる 夜遅く食べると太る理由は このあたりの事情から説明できます ちょっと 興味深いでしょう? 次回 詳しく説明します さらに興味深いのは 摂取する食物 栄養素の違いによって 体の日内変動に影響が出てくる たとえば 脂物ばかりたくさん食べると サーカディアンリズムがずれてくる また 食事をする時間によっても 体の日内変動に影響が出てくる 朝食を食べないと なぜ健康に悪いかは このあたりの事情で説明できます この点については 次々回 詳しく説明します このように 日内変動・サーカディアンリズム と 栄養素の代謝 は 互いに影響を及ぼし合っているのです こうしたことが明らかになったことで 時間栄養学のフィールドが深まってきました そして 肥満 糖尿病 高血圧 脂質異常症 といった生活習慣病では 日内変動 サーカディアンリズムと 栄養素の代謝の相互関連に さまざまな異常が生じていることも 明らかにされつつあります だから そこの是正により 病気が改善する可能性がある そのためには 1日3食の食事を いつ食べて どんなものを食べるようにすればいいのか? そうしたことについても 詳しく説明していきます どうです 興味が湧いてきたでしょう?(笑)
高橋医院