中央区・内科・高橋医院の
お酒と健康に関する情報 


前回ご説明した 
二日酔い対策の基本をもとに

二日酔いを防ぐために 
飲む前 飲んでいる間 飲んだあと の注意

をまとめます

<飲む前の注意>

空腹にお酒は厳禁です

空腹でお酒だけを飲むと
胃や腸のなかに内容物がないため 
アルコールを急速に吸収してしまい

血中アルコール濃度のピークを早め 
かつ ピークが高くなり
急激に酔いが回ったり悪酔いしてしまいます

ですから 
飲む前に何が胃に入れておきましょう

食事は通常2~3時間は
胃の内部に留まるため
満腹感でお酒のペースも
自然と落ちる効果も期待できます

具体的には 
飲み会の前に軽く食べておくと
いいでしょう


また 
アルコールの吸収を遅くするための下準備も大切です

アルコールの吸収を遅くすることは 
即効性が高く
飲酒前からできる
効果の高い二日酔い予防策といえます

さまざまな食材の中で 
二日酔い予防に最も効果が高いのは
脂肪です

チーズなどの乳製品

脂肪は胃の中では
ほとんど消化・吸収されず
十二指腸ではじめて消化され始め
他の食品と比較しても 
吸収に長い時間を要します

ですから 
アルコールの胃での吸収を大幅に防ぎ
また腸での吸収速度をゆっくりにします

地中海式の 
飲酒前にスプーン一杯のオリーブオイルを飲むという習慣

ロシアの 
飲酒前にバターやサワークリームを食べるという習慣

脂肪分の多いナッツ類を前もって食べておくことなど

オリーブオイル

いずれも二日酔い予防に期待が持てます

アルコールやアセトアルデヒドの分解を促すドリンクを飲む
という手もありますが
ドリンク剤については 稿を改めて解説します


<飲んでいる間の注意>

お酒のツマミには 
タンパク質が豊富なものが適しています

タンパク質はアセトアルデヒドの分解を促し 
肝臓の働きを助けます

肉 魚介類 チーズ 牛乳 豆類 卵などの
高タンパク質の食材を食べるようにしましょう

枝豆

お酒とお酒の間に 
たっぷりの水を飲むことも大切です

アルコールには利尿作用がありますから
水分を補給することで
脱水症状による頭痛などを
和らげる効果もあります

「飲んだら飲んでね仕込み水」と書かれた水が入ったボトル

また 濃いアルコールを飲むと
胃への到達が
水よりもアルコールの方が早いことから
高濃度のアルコールが吸収され 
血中アルコール濃度が上昇してしまいます

そのため 
水割りとして一緒に飲んだり
チェイサーとして後で飲むことが効果的です

チェイサーのグラス

お酒の種類を替えたときは 
飲むペースも切り替えましょう

日本酒や焼酎を 
ビールと同じペースで飲むのは 
とても危険です

アルコール量が何倍も違うため
摂取するアルコール量を一定にキープして
血中アルコール濃度を上げないようにするためには
飲むペースも落とさなくてはいけません

強いお酒に変えたときは 
飲むペースを落としてください


<寝る前にすべきこと>

就寝前に最低も500mlの水分を 
必ず飲むように心がけましょう

寝る前に水を飲む人

お酒を飲んだ後は
アルコールによる利尿作用により
脱水症状を起こしやすくなり

また 寝ている間に汗をかいたりして
水分が失われるので
そのためにも水分補給が大切です

飲んでいる間の水分補給も 
寝る前の水分補給も 
両方とも大切です

水分補給が二日酔いを防ぐことを強調するポスター

注意してほしいのは 
飲んだ後に
サウナや熱い風呂に入ることです

汗とともにアルコールが抜けるようなイメージがあるためか
飲酒後にサウナや熱い風呂に長時間入る人がいますが 
これはかなり危険な行為です

酔った状態で風呂に入ると
アルコールで血行が良くなっているため
大量の汗をかきますが
これが脱水症状に拍車を掛けて
肝臓のアルコール分解を阻止することになるのです

睡眠時間をタップリととることも大切です

しっかり寝ている人

肝臓の単位時間あたりのアルコール分解能力には
限りがあるため
たくさん飲んだあとは それを代謝するために
肝臓に十分な時間を与えてあげる必要があります

それでなくても 
二日酔いになるほどの深酒をした場合
就寝時間はいつもより遅くなりがちですから

お水をたくさん飲んで 
すぐにベットに入って寝てください


高橋医院