ニューロマーケティングの研究を行っている
リンストロームさんは

ブランドは宗教だ と言われます

さまざまな神様の写真

成功を収めているブランドには 
宗教的な要素があり

さまざまなブランドのロゴ写真

ブランド品を買うヒトは 
単純な消費者というより 
熱狂的な信者に近い

ブランド品をたくさん買うヒトの姿

というのです

なんだか 
面白そうな話ですね!(笑)

世界で多くの人々を
惹きつけている宗教には

*信じる人々の連帯感

*明確なビジョン

*敵に打ち克つパワー

*感覚へのアピール

*物語性

*雄大さ

*布教活動の熱心さ

*上手なシンボルの利用

*神秘性

*儀式の有効利用

といった特徴がありますが

これらのいずれの要素も
人気ブランド・商品と共通性がある 

そうです

そして とても興味深いことに 
fMRI SSTを用いた検討により

ヒトが教会などで 
熱心に信仰しているときと

教会で祈る人の姿

お店で 
ご贔屓ブランドの商品を見ているときは

ブランド店のショーウインドウの前にたたずむ人の姿

脳の同じ領域が活性化していることが
判明しました

それは

喜び 平穏 自己認識 愛情
などを生み出す領域 と

記憶 感情 意志決定 意味の創生
などを司る領域

強力なブランドに関連する画像を見たときと 
宗教画を見たときの

脳内の活動パターンは 
まさに同じだそうで

強力なブランドに関連する画像を見たときと宗教画を見たときの脳内の活動パターンは同じなことを示すfMRIの画像

ふーん そうなんだ  
ちょっとびっくりですね!

また 
宗教には儀式がつきものですし
原始宗教と呼ばれるような土着の宗教では 
迷信も重要視されます

原始宗教の儀式の様子

ここにもブランドとの共通性があって

儀式的なものが 
ブランドと商品の感情的な絆を生み出して
購入する商品の印象を高めるそうです

やはり 
こうした非合理性が大切なのでしょうか?

ここでいう 商品に関する儀式的なものとは

例えば

メキシコのコロナビールの瓶の飲み口に
ライムのかけらを突っ込んでから飲む

ライムのかけらを突っ込まれたメキシコのコロナビールの瓶

パブでギネスを注文すると
お店の人は ゆっくりと数分以上かけて 
グラスに泡を注ぎ込む

オレオクッキーを 
パカッとふたつに分けて
なかのクリームを舐めてから 
ミルクに浸して食べる
(この儀式 テレビCMでやっていましたね!)

オレオクッキーを食べる儀式を説明した図

要するに 儀式といっても
宗教のような大掛かりなものではなく
日常生活における
ちょっとした習慣のようなものですが
それが故に 
影響力がより大きいのかもしれません

ちなみに 
ギネスの注ぐときの儀式は
会社が意図的に儀式に意味を持たせたそうです

ゆっくりと泡を注ぎ込んでいくやり方は
昔からの伝統でしたが

ギネスを注いでいる様子

90年代前半に
社会がドンドンあわただしくなってくると
そんなにのんびりと待てない! 
と人々はギネスから離れ始めました

そこで会社は

待つ人には良いことが来る とか 
1パイント注ぐのに119.53秒かかる
といったキャッチフレーズを展開して 
儀式に意味を持たせ再生したのです

ギネスを注ぐ手順を説明した図

人々は 
そうした会社の目論見に
まんまとひっかかって
新たなギネスの魅力として 
儀式が生まれ変わったわけです

ちょっと 面白いでしょう?

最近の消費者は
「何かを盲目的に信じて頼りたい」
という気持ちが強い傾向にあるそうで

それは
現代社会は 
景気の低迷 戦争 高齢化 犯罪
といった不安要素が多く
不確実性に満ちているため 
安定に対する欲求が高まっているから

そうした状況に 
非合理的 非理性的な儀式や迷信は 
上手くつけこみます

商品にまつわる儀式は
安心という幻想や 
帰属意識をもたらしてくれますし

自分に合った儀式やブランドが見つかると 
人々は特別な安心感を抱きます

そして 商品の購入は 
意識的判断というより儀式的行動の側面が強い

さらに著者は 
蒐集という人間独特の行為にも
言及していて面白い

収集という習慣的な無意識の行為は 
まさに儀式であり
ヒトに安心感や安定感をもたらし
人生に対する支配感を得たかのように
感じさせる

ストレスが溜まったり 
人生が思い通りに行かなくなると
人々は馴染みの商品やモノに安心を求め 
収集するそうです

物を集めている人の様子

この指摘 
個人的にはちょっと思い当たる節が
あります(苦笑)



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