骨粗鬆症の症状と検査
骨粗鬆症で見られる症状と 検査について解説します <骨粗鬆症の症状> 骨がもろくなっていても 痛みがないまま静かに進行することも多いため 初期段階では自覚症状はなく 骨折して初めて気付くケースも少なくありません 特に 椎体骨折の2/3は無症候性なので X線での確認が必要になります また 自覚症状があっても 単なる老化現象として軽く考え受診せず 治療に結びつかない傾向があります @気にすべきサイン *以前より身長が低くなった *背中や腰が曲がってきた *背中や腰に痛みを感じる このなかのひとつでもあてはまれば 骨粗鬆症の可能性があります 身長は 骨の健康のバロメータで 身長低下の主な原因は骨粗鬆症です 骨粗鬆症になって骨がもろくなり 背骨がつぶれてしまうと 身長が縮んでしまうのです 4cm以上縮んだ人は 積極的に骨密度検査やレントゲン検査が 推奨されています その他 日常のこんなことも 骨粗鬆症に気づくきっかけになります *食事量は少ないのに お腹がすぐいっぱいになる *すぐに息切れがする *以前から着ていた服の身丈が 体に合わなくなった *重いものを持ったり 立ち上がるときに 腰が痛む <検査> @骨量(骨密度)検査 *DXA dual-energy X-ray absorptiometry 躯幹骨二重X線吸収法 DXAまたはDEXAとよばれる骨密度測定法は 2種類の異なるX線を骨にあてて 骨と他の組織におけるX線の吸収率の差から 骨密度を測定する方法です DXAは 正確に骨密度を測定できる方法として WHOの基準に組み込まれており 2017年現在 骨粗鬆症の標準的な診断方法となっていて 骨塩定量とも呼ばれています 測定部位は *腰椎(L1〜L4またはL2〜L4)と *大腿骨近位部 :あらゆる骨折の予知能に優れている の両者を測定することが推奨されています 対象となる方は *脆弱性骨折がある患者さん *65歳以上の女性 70歳以上の男性 *危険因子を有する 閉経後 周閉経期の女性 70歳未満の男性 です 日本では 性別ごとの 若年成人平均値(young adult mean YAM)を 基準値として その何%かで産出 評価されます 椎体圧迫骨折があると 見かけ上骨密度が高くなるため 腰椎XPで圧迫骨折がないことを確認することが必要です 若年成人平均値(YAM)を基準値として 70%未満であれば どの部位であっても骨粗鬆症と診断され 70%-80%の範囲では 骨量減少と評価されます *超音波法 踵や脛の骨に超音波をあてて測定します X線を使用していないため 妊娠中の方でも測定することができます *MD法 X線を使って 手の骨と厚さの異なるアルミニウム板とを 同時に撮影し 骨とアルミニウムの濃度を 比べることによって測定します 診療所などで容易に計測できるため 普及しています 骨密度検査は 骨の健康を知る上で重要な手がかりです 特に女性は 症状が無くても 40歳以上になったら定期的に骨密度を測ることを お勧めします @レントゲン検査 骨が折れたり つぶれたり 変形していないか あるいは折れやすい状態かどうかを調べたり 他の病気と区別するために レントゲン検査が行われます 特に 椎体骨折の評価に有用です @尿・血液検査 骨の代謝のバランス(骨の破壊と形成の様子) ビタミンKの不足状態などが 血液・尿の検査で評価できます 骨代謝マーカーの上昇は 骨密度とは独立した骨折のリスク因子になります *骨吸収マーカー ・デオキシピリジノリン DPD ・酸ホスホターゼ活性TRACP-5b ・コラーゲン分解物 NTX CTX *骨形成マーカー ・BAP ・I型プロコラーゲンNプロペプチド P1NP *骨マトリックス関連マーカー ・カルボキシ化オステオカルシン unOC この検査は ビタミンK不足の判断に利用できます
高橋医院