ミシュランの番組を見たのをきっかけに
昔読んだ 

ミシュラン・三ツ星と世界戦略 

という本を
本棚から引っ張り出して読み返しました



朝日のパリ支局長をされていた 
国末憲人さんが
ミシュランの歴史やその世界戦略について
取材され書かれた本です

この中で 
書き手が特に面白いと思った内容を
ご紹介します


<料理人にとってミシュランとは?>

前回もご紹介しましたが
ミシュランは料理人にとても信頼されていて

シェフにとって

「ミシュランの評価を得るほど光栄なことはない」

そうです



こうした傾向は 老舗レストランほど強いとか

既に ひとつの権威として
確立されているのでしょうね


フランスでは 3つ星のシェフは
国家を代表する芸術家や大企業の経営者並みの
社会的地位があり



料理人にとって 
星を目指すのは当たり前のこと


料理人たちは
ミシュランは厳しさの象徴で
評価されることは良い仕事をしていることの証し
と 評価する一方で

星に惑わされては危険
星はあとからついてくるもの

と 警鐘を鳴らすシェフも少なくないとか


いずれにせよ フランスでは
宇宙で星がひとつ発見されるより
あるシェフがミシュランの星をひとつ失う方が
大きなニュースになるそうです

日本で抱いているミシュランのイメージより
フランスのそれは 
はるかに大きいことがわかります


<星のついたレストランとは?>

これも 前回ご紹介しましたが

ミシュランの星を得るような高級レストランは
まさに劇場で 一種のスペクタクル
非日常の世界



多くのフランス人は 
一生に一度も高級レストランに行かないそうで

高級レストランを楽しむのは
ある種の階級の印で
自らの努力の成果 成功の結果とのこと

だから
男女ともレストランに行くときは華やかに着飾り
自らが劇場を構成するパートとなれるように
努めるのだとか



また レストランは
単なる食事の場ではなく
社交の場でもあり

さらに シェフと語り合うことで
料理の背景にある思想や哲学に触れ
理解を深める場だそうです

まさに ハレ の舞台ですね


確かに書き手も 
お誕生日や記念日にレストランに出かけるときは
頑張っておめかししていきますし

その場では ちょっと緊張もしますよね(笑)

でも 
たまにはそういう非日常の世界を楽しむのも
いいかなと思います


<ミシュランに背を向ける人々>

しかし 
最近はミシュランに抵抗感を示す料理人も
少なくないとか

最初からゲームに参加することを拒む人

ゲームの在り方に疑問を感じ 
途中で降りてしまう人

など さまざまです



そして 
そうしたシェフたちが切り盛りするビストロは
まさにミシュラン離れの象徴で

最近は
有名レストランで修行を積んだ
正統派のシェフが開く“ネオビストロ”が
大人気とか



現代のガストロノミーは 二極化しているそうです

ひとつの極は 
ミシュランの星がつくような正統派のレストラン



現実離れしたバーチャルな空間で
仕切るシェフは 大スター

出てくる料理は 
最近は健康志向ブームや日本料理の影響もあり
軽く 美しく 皿の数を多く出す傾向が
強いそうです

でも 料金はバカ高くて
そのうちに 
旅行者ばかりが集まって記念撮影する場所になるのでは
と揶揄されているとか


対するもう一方の極が ネオビストロ

気楽にしっかり食べたい人たちのためのお店で
味が濃くどっしりとした伝統的な料理をだし
しかも料理の量がたっぷりで
食いでがあるとか

ミシュラン的なレストランで修行しながら
星を追いかけることに
価値観を見いだせない若いシェフが
自ら店を構えて活躍しています

重要なのは料理であって
ミシュラン的なレストランが重視する
格式や典礼ではない

とのコンセプトが ネオビストロにはあります



ちなみに 最近は
前者の高級レストランには
客が入らなくなってきていて
ネオビストロが隆盛を極めつつあるとか

面白いですね!


書き手は
高級レストランもビストロも
どちらも好きです(笑)

たまにオシャレして
高級レストランでハレの雰囲気を楽しむのも良いし
肩の力を抜いて 
ビストロでしっかり料理を楽しむのも良い

シチュエーションによって
両方を上手く使い分ければ良いのでは?
と思っています



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