中央区・内科・高橋医院の 健康診断に関する情報


健診結果がでたら

ひとつひとつの検査項目の結果に
一喜一憂するのでなく
大きく結果全体を見ることが大切です


<数年間の変化に注意してください>

去年までは大丈夫だったのが
今年はひっかかったら問題ですし

たとえ結果が基準値内にあっても
前年までの結果と比較して
数値の上昇傾向があれば注意すべきです

過去のデータとの比較の重要性を示す図

今年の数値そのものだけでなく
過去5年間で数値がどのように変動しているか
徐々に増えているか 改善しているか
が大切です

体重 血圧 血液検査値などについて
以前の結果と比較してみてください

結果が基準値内でも 前回との比較をすることの重要性を示す図

糖尿病の場合は
境界型の状態が12年ほど続くと
ある日突然 血糖値が跳ね上がり
糖尿病になることが統計的に判明しています

サインは 何年も前から出ているということです


体重に関しては
男女とも 40歳以降 5年間に5Kg以上増えると
ほとんど変わらなかった人より
3割前後死亡リスクが上がります

また 5Kg以上やせた場合はもっと深刻で
死亡リスクは
男性で約4割 女性で約7割高いと報告されています



<異常項目が複数あると危険です>

複数の項目で異常値がある場合は
ひとつの項目での異常より危険です

たとえばメタボリック症候群は
複数の項目に異常があると診断されます

メタボリック症候群は複数項目の異常により診断されることを示す図

特に 肥満 高血圧 脂質異常 高血糖 など
動脈硬化のリスク因子で
複数の異常が見られる場合は
必ず医療機関を受診するようにしてください



<「B判定」は見逃すと怖い>

長年にわたり健康診断を専門に行われている
奥田昌子先生は
ご著書の 健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い で
以下のような指摘をされています

文庫本 健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い の表紙


@B判定は 病気になるかならないかの境界線です

B判定は「経過観察」と指示されるので
病気ではないと自己判断され
そのままにされることが多い

しかし B判定の状態は病気になる前の予兆で
時間経過とともに着実に病状は進行する

たとえば B判定の数年後には
4人に1人が本物の糖尿病に
2人に1人が本物の高血圧に移行する


そこで B判定を契機に

*生活習慣を見直し改善し
 医療機関で定期的な経過観察をする

*データの変化を見ながら対処し
 病気を発症しないようにする

ことが大切です

B判定でも安心できないこと データの変化を見ながら対処することが大切なことを示す図
@B判定が複数あると 
 C判定より危険なことがあります

軽度異常のB判定でも
上述したように複数重なるとリスクが高まります

メタボリックシンドロームでは
肥満 高血圧 脂質異常症 高血糖のなかで
B判定が多いほど動脈硬化が進行し
心臓病 脳血管障害のリスクが高くなります


@異なる検査分野でB判定があると
 特定の病気が隠れている場合があります

*高血圧と高血糖 
 =心臓病 脳血管障害のリスク

*高血糖と脂質異常症
 =動脈硬化の進行が速まるリスク

*高血圧と脂質異常症
 =脳梗塞のリスク

*肝機能異常と高中性脂肪
 =非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)のリスク

*高血圧と尿タンパク
 =腎機能低下のサイン

*尿タンパクと尿潜血
 =腎臓の病気のリスク

これらの組合せの
片方がB判定 片方がA判定でも
リスクがある場合があります

注意すべきB判定の組合せについてまとめた図

以上のことを考えると
たとえB判定であっても
医療機関で相談されることをお勧めします

特にB判定が
複数あったり 異なる分野にある場合は
特に要注意です

 

高橋医院