中央区・内科・高橋医院の
食事と健康に関する情報

どうしてコーヒーは
こんなに健康に良いのでしょう?

コーヒーカップとコーヒー豆
<メカニズムは?>

考えられる機序として

*肥満などを改善するアディポネクチンの濃度を上げる

1日飲むコーヒーの杯数と血中アディポネクチン濃度の関連

*慢性炎症を抑制してCRPを低くする

*インスリン抵抗性 血糖代謝を改善する

*抗酸化作用を増強する

といったことが推定されています

特に 先進国の人は
全ての野菜と果物を合わせたよりも
多くの抗酸化物質
コーヒーから摂取していることが明らかにされ

抗酸化作用の関与の度合いが大きいと
推測されています

種々の食物 飲料に含まれる抗酸化物質の量

抗酸化物質の候補とされているのは
カリウム マグネシウム ビタミンE 
ポリフェノールの1種のクロロゲン酸
などです

コーヒー豆に含まれる成分

一方
閉経後の女性に処方される女性ホルモン薬は
コーヒーの効果を弱める可能性があるので
注意が必要です

心血管病 パーキンソン病では
閉経後のホルモン治療を受けている女性では
コーヒーの効果が見られませんし

糖尿病抑制効果は
女性だと1日に5杯以上飲んでも
高まっていきません


<カフェインが重要なのか?>

コーヒーに豊富に含まれるカフェインには

*血管収縮 血流低下作用があり

*脳内神経伝達物質アデノシンの働きを抑制して
 他の神経伝達物質の働きを増強し
 幸福ホルモンのドーパミン濃度を高めるため

カフェインのアデノシン抑制作用1
カフェインのアデノシン抑制作用2

特に神経系の病気に関する健康促進作用には
大きく関与していると考えられます

しかし
肝臓病 糖尿病 心臓病 がんなどの予防効果は
カフェインだけでは説明できないと推測されています

カフェインを含む紅茶やコーラでは
コーヒーと同様の効果は得られていませんし

逆に カフェインレスコーヒーでも
ある程度の効果が認められているからです

カフェインレスコーヒーの効果

コーヒーには
生体に影響を有する可能性がある化学物質が
1000種類以上含まれており

これらの未知の組合せが
さまざまな予防効果をもたらすと 考えられています

コーヒーに含まれる化学物質


<飲み方のポイント>

病気の発症予防効果には
用量依存性が観察されています

つまり たくさん飲めば飲むほど効果が上がる

多くの研究では
1日に3~4杯飲む人と飲まない人との間で
病気の発症リスクに有意差が認められています

しかし それ以上飲んでも
効果がさらに上がることはないようで
1日に3~4杯が目安になるようです


1日に飲むコーヒーの杯数と死亡率の関連

また
カフェインの効果の半減には6時間かかるので
不眠を起こさないために
夕方以降は飲まない方が良いでしょう

さらに 肥満防止のため
甘味料 フレーバーシロップの使いすぎに
注意すべきことは
言うまでもありません

砂糖が沢山入ったコーヒー


<デメリット>

コーヒーの多飲にはデメリットもあります

まず 中毒性があること
やめると 頭痛 吐き気 不安などの禁断症状がでます

コーヒーの禁断症状

また1日に5杯以上飲むと
心拍数 血圧の上昇を招き
心臓に悪影響を及ぼす可能性があります


さらに カルシウムの吸収を抑制するため
骨粗鬆症の女性は
適量にとどめた方が良いとされています

流産 早産には
関係ないという報告と 関係あるという報告がありますから
妊娠中は多量のコーヒーは避けた方が賢明かもしれません

コーヒーを飲む妊婦


ということで

健康促進のために
1日3~4杯のコーヒーを楽しみましょう!

3杯のコーヒーカップ

ということになりますが
ホントなのかな?(笑)


高橋医院