約3年前に
タイの托鉢僧さんが
肥満に悩んでおられる話題を
ご紹介しました



タイの早朝の街を練り歩いて
托鉢しされている僧侶さん



48％が肥満　42％は脂質異常症
23％が高血圧　10％が糖尿病
に悩まれているそうで



その原因は
最近は一般市民が僧侶さんに差し上げる供物に
砂糖がたっぷりのお茶やコーヒー
脂肪分や糖分が多い美味しい料理が多いこと
が挙げられていました

バンコクの仏教団体は
寺院の調理担当者に
ヘルシーな食事の作り方を指導するとともに

僧侶さんには
日々の運動量を増やし

段々と溜まってきたお腹の脂肪に
気がつきやすいように
きつい腰紐のついた袈裟を着るように
勧めていたそうです


で　その後　どうなっているかというと

先日　ニューヨーク・タイムズに
「半数近くが肥満体」
タイの僧侶の体重増加が止まらない
というタイトルの記事が掲載されていました

僧侶さんたちのメタボぶりには
拍車がかかっているようで



昨年6月　タイの保健局は
一般の人々に
僧侶にもう少し健康的な施し物を与えるよう促し

一方で
祈りと瞑想で座っていることの多い僧侶たちに
寺の清掃などの「身体を動かす活動」を増やすことも
提案したそうです

保健当局は
僧侶さんたちのメタボ化の原因は
ズバリ　托鉢でもらう
「糖分の多い飲み物」と断言しています



タイの仏教を信じる一般市民は
僧侶に施し物を与えることで
現世と来世において良い運命が保証される
と信じておられるので

少しでも「良い」食べ物を
僧侶さんに差し上げようとします



そして　僧侶さんたちは　毎日毎日
糖分の多い飲み物や脂肪の多い食べ物を食べ続けて
メタボ化する

うーん　笑えない
まさに“飽食な現代の食生活”が
招く悲劇ですね


市民が差し上げる「良い」と思う食べ物は
ソフトドリンク　ジュース　スナック菓子
店で購入された調理済み総菜　など
栄養学的には「良くない」食品ばかりです



他人事ではありませんね、、、


タイ政府は宗教関係組織と協力しながら
「健康な僧侶・健康な栄養摂取プロジェクト」
を運営し始めたそうで

僧侶のための健康で安価な食事を作る際に
参考となるレシピが掲載されたパンフレットを出版し
市民に配布しています

あるレシピでは
タンパク質を含む玄米と多くの野菜の使用が
提案されています

伝統的なタイ料理では
少量の肉　魚と多くの野菜を使用していたのに
現代の料理では
ずっと多くの脂肪と砂糖が
使用されるようになっているそうで

これもまさに　
現代飽食食生活の縮図ですね

また
本プロジェクトに参加している僧侶たちは
日々の身体的活動の記録を取るよう促されていて

寺の周りを歩くといった簡単な運動を
1日に最低40分することで
静かで禁欲的な勤めによる運動不足を補うことを
推奨しています


そして
僧侶たちはどのような種類の食品を
どれくらい食べるかに関して気を配るべき
と注意を喚起しています

飽食　運動不足　認識不足
処変わっても原因は変わりません


こんな新たな取り組みもされているようです

僧侶たちは
「ゆったりとした僧衣を着ているため
　体重が増えたことに気づかなかった」
そうなので



健康的なウエストラインを示す
結び目のついたベルトが考案され
お腹のサイズを判断するための
4色に分かれた計測テープも
合わせて僧侶たちに提供されたそうです



発案者は
「僧侶たちの自尊心を傷つけないような
　内容にしました」
「僧侶が戯れながらベルトの結び目を比べ
　体重増加に気づく様子を見ると心が温まります」
と語っているそうです


実はタイでは
僧侶さんたちだけでなく一般市民レベルでも
肥満は憂慮すべきレベルに達していて
マレーシアに次いで
アジアで2番目に体重の重い国となっているそうで

男性の3人に1人は肥満体
女性の4割以上が著しい体重過多だそうです



そんな現状を鑑み
仏教関係者は話をこう結びます

「健康なときこそ
　私たちは人々により良く奉仕することができるのです」
「これは仏陀の教えのひとつです」

うまい！（笑）

それにしても　再度　
他人事ではありませんね、、、