左利きお勧めライ麦製品第二弾は

ライ・ウイスキー!

ライ麦を主原料とするウイスキーで
アメリカで作られます

ライ・ウイスキーのボトルの写真

アメリカでは 法律によって
原料となる麦芽液のうち
ライ麦が51%以上を占めるものを
ライ・ウイスキーと呼称できると
定められています

ライ・ウイスキーのボトルの写真2

ストレート・ライ・ウイスキー
と称されるには

*原料の51%以上がライ麦で

*アルコール度数40以上80以下で蒸留し

*内側を焦がしたホワイトオークの新樽で
 2年以上熟成しなければならない

という 厳しい規則があります

グラスに注がれたライ・ウイスキーの写真

アメリカにおける
ライ・ウイスキーの歴史ですが

ドイツ系移民によって
ライ麦栽培が盛んに行われた
ペンシルベニア州南部が発祥の地で

ペンシルベニア産のライ・ウイスキーの写真

独立戦争後には
スコットランド・アイルランド系移民も加わり
アメリカ北東部
特にペンシルベニア州とメリーランド州で
盛んに生産されるようになりました


ライ麦パンと同様
ライ麦由来のかすかな苦みがあり
バーボンよりややスパイシーで
ピリリとしてドライな味わいが特徴です

「1杯のウイスキーのなかで
 ライ麦ほど
 強くはっきりと目立つ穀物はない」
と言われています


ということで
ライ・ウイスキーは
かなり人気がありましたが

あの禁酒法のあと
人々のウイスキーに対する嗜好は
カナディアン・ウイスキーに代表される
淡泊で飲みやすいものに移行し

ライ・ウイスキーは
斜陽の時代に入ってしまいます


また ライ麦はデンプン量が少ないので
他の穀物に比べ糖化が困難ですから

100%ライ麦のウイスキーを作ることは
トウモロコシで作るバーボンウイスキーよりも
はるかにコストがかかります

トウモロコシとバーボンウイスキーの貯蔵樽の写真

さらに
アメリカ大陸で栽培されたライ麦では
味が微妙に異なるので
今でも北ヨーロッパで生産されたライ麦を輸入して
作っている蒸留所が多いとか


それやこれやで
現在 ライ・ウイスキーの蒸留所は
以前に比べ減少し

場所もペンシルベニア・メリーランド州から
バーボンの本場ケンタッキー州に移り
わずかな生産業者が
細々と営業しているようです


それでも ライ麦は
アメリカンウイスキーを
リッチにするスパイスと見做されていて

トウモロコシだけでは
穏やかになりがちなスピリッツに
豊かなスパイス風味を与えてくれる
名脇役として
バーボンウイスキーを造る際の副原料として
好んで用いられています

副原料の種類と比率を示す図


ひねくれ者の書き手は
ライ100%の
シングル・ライモルト・ウイスキーが大好きです

アメリカでひょんなことから
ピュア・ライ・ウイスキーを体験して
そのスパイシーさ ドライさに
魅了されました

バーボンともスコッチとも全く異なる
オリジナルな深い味わいです

ライ・ウイスキーと他のウイスキーの味の違いを解説する図

ですから アメリカに行くと
食後酒に必ずライ・ウイスキーを
頼みますが

ほとんどのお店では
アルコールメニューに
ライ・ウイスキーは載っておらず
バーテンダーさんに聞いて
やっと戸棚の奥から
ボトルを引っ張り出してきてもらうことが多い

ライ・ウイスキーのボトルの写真

でも 美味しいのですよ!(苦笑)

ライ・ウイスキーのボトルの写真


有名ところのライ・ウイスキーは
日本にも輸入されていますから
機会があったら 是非お試しください

書き手のお勧めは これです

書き手がお勧めのライ・ウイスキーのボトルの写真

スパイシーな香りと味わい
たまりません!(笑)



 

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