諧謔の弄し方
井上陽水さんのインタビュー番組 こんなナレーションが 番組を進行させます 根源的なことを歌っているので 時代を越えている 人間や社会に欠けている 「何か」を歌い続ける 独自のフィルターで 社会を見つめてきた その歌詞の意味を問い直す で 流れてくるのが 「傘がない」 陽水さんは この曲の歌詞について 次のように語ります 「傘」が 抽象的なものに思えてきた 色々なことを象徴している 社会が抱えるさまざまな矛盾を 解決することは大変で 児童虐待のニュースを聞くと心が痛むし 恋愛の感情が 時間とともに変わっていくこともせつない 歳を重ねてきた影響もある あとどれだけ生きられるかと 思うこともある そして 全ては「何かがない」こと と思うようになった 「ない」ことについて 想うことが増えてきた ある種の絶望感もあるのかな それって 人生というものが内包する 本質的な不条理でもありますよね?(笑) じゃあ 「何かがない」人生というものを 陽水さんはどう感じているのか? インタビューアーさん そこをちゃんと突っ込んでよ!(笑) でも陽水さんは 番組の最後に 「夢は何ですか」と問われて こう答えます 人に喜びを与えて 「井上さん素敵!」と言われること そうなれば本望ですね 素敵です!(笑) 彼はきっと 絶望感も感じる人生を 楽しんでいるのでしょう 陽水さんのインタビューを 見聞きして感じたことは 声が良い きれいではないけれど 落ち着いていて なんとなく品があり 艶もある イントネーションが独特で 外人が日本語をしゃべっているような 雰囲気がある ジェスチャー しゃべり方がおしゃれ ちょっと気取っているようだけれど 嫌味も不自然さもない あらためて歌を聞くと 彼の歌詞の独特さを痛感します ロジカルでなく意味不明だけれど なんとなく引き込まれる ストレートに表現せず 聞く者にイメージを抱かせる歌詞 そして 歌う より 語るような 歌い方 シンガーソングライターの元祖 だものね!(笑) 敢えて真正面から突っ込んでいかない そんな素振りを見せているけれど きっと必死に取り組んで あがいているのだろうなあ そう思いましたよ ふと 以前やはりNHKで放送していた 佐野元春さんの番組を思いだしました 佐野さんのような ストレートなスタイルも良いけれど 陽水さんのようなスタイルも おしゃれで良い!(笑) そうか 諧謔とは こうして弄するものなのか 勉強になりました!(笑) NHKさん インタビューの突っ込みは もうひとつでしたが 「諧謔を弄して」 という番組のタイトルは 秀逸でしたよ(笑) 最後に蛇足ですが 陽水さんの奥様は 石川セリさん 書き手は中学生の頃 彼女の美しさに魅了されていました そして 陽水さんが セリさんと結婚されたことを聞いて 本当にビックリしたものですよ! ちょうどその頃 山下達郎さんが竹内まりあさんと 結婚されたこともあり 「男はルックスじゃない!」と 意を強くした?ことを 覚えています(笑)
高橋医院