ラグビー・国籍の多様性
ラグビーの多様性の話題を続けます
前回は体形の話でしたが
国の代表チームのメンバーに
他の国の国籍の人がなれるのも
ラグビーの大きな特徴で
まさに多様性に富んでいます
ラグビーのナショナルチームの
メンバーの選定基準は
国籍主義ではないのです
たとえば
2015年のワールドカップのジャパンには
日本以外の国籍の選手が
31人中11人いました
日本だけでなく
サモア ウェールズ スコットランド トンガでは
外国籍の選手が日本以上の13人もいました
ちなみに
外国籍の選手がひとりもいなかったのは
アルゼンチンだけでした
また今回のワールドカップのジャパンは
外国籍の選手は31人中15人で
その国籍は
トンガ ニュージーランド 南アフリカなど
7か国に及んでいます
ジョセフコーチが自信を持って選んだ
31人の我らが代表です!
さて 外国籍の人が
ナショナルチームに選抜されるには
*本人がその国で生まれた
*両親 祖父母の誰かが
その国で生まれた
*本人がその国に
連続して3年以上住んでいる
または合計で10年以上住んでいる
のいずれかの条件を満たしていれば良いのです
但し 来年からは
連続居住期間の条件が
3年から5年に延長されます
また
どこか他の国のナショナルチームに
選ばれたことがあると
違う国のナショナルチームのメンバーには
なれません
こうした多国籍主義になった背景には
ラグビーが発祥したイングランドが
当時は世界各地に多くの植民地を有していて
そこでラグビーが育っていったことが
関与していると考えられています
ナショナルチームには
その国の国籍を有する人しか
メンバーに選ばれないスポーツが
圧倒的に多いので
このラグビーの多国籍主義には
違和感を持った人が多いと思います
書き手もそうでした
試合前 君が代が流れている間に
テレビの画面に映し出される
整列した選手の顔の半数が
おしょうゆ顔でなく毛深くて髭もじゃのソース顔だと
ええっ? と思ったものですよ(苦笑)
でも
ラグビーの多様性を重んじる文化がわかってきたり
ジャパンのメンバーになりたいと希望する
外国籍の選手たちの気持ちを知ったりすると
違和感がなくなってきました
それと同時に
自分のなかにある”国粋主義的なもの”に気付いて
ちょっとびっくりもしました(苦笑)
今のジャパンのキャプテンの
マイケル・リーチ選手は
ニュージーランド生まれです
彼は高校入学時に
札幌の高校に単身留学して
その後 東海大学に進学し
卒業後は東芝府中でプレーし続けました
やがて日本代表に選ばれ
前回のワールドカップから キャプテンをしています
彼は
自分を受け入れ育ててくれた日本に感謝し
その日本のラグビーを
世界に認めさせたいと思い
ジャパンのメンバーに選ばれたときは
躊躇なく喜んで
桜のジャージに袖を通したそうです
そして 日本の文化や歴史をこよなく愛し
俳句の勉強もしているとか
リーチ選手は
「日本の文化を知ることが
チームの見えない力になり
歴史を知ることで
日本代表としての覚悟が変わる」
と語っています
ありがたいですね!
その一方で キャプテンとして
日本人の足りないところを指摘します
「日本人はミスをすると
ドンマイ と言ってかばうけれど
ニュージーランドではそうしたことはしない
ミスはきちんと指摘して改善しないと進歩しない」
国籍の多様性があると
その国の文化を客観的に見れて
ネイティブが気がつかない欠点も指摘できる
そうしたメリットもあるのですね
彼のように
日本の社会に溶け込み
日本の文化を愛してくれる外国籍の選手は
少なくありません
そうした選手たちのエピソードを聞くと
たとえ外国籍の選手が多くても
ジャパンチームを応援したくなります
ラグビーの多様性は
まさに時代の先端を行っています!
高橋医院