ラグビーのことはよく知らなくても 
ハカなら知っている 見たことがある
という方は多いと思います 

ハカ 

ハカを行うオールブラックスの選手たち 

ニュージーランド代表のオールブラックスが
試合が始まる直前に 
対戦する相手チームを真正面に見据えて 
集団で数分間 歌い踊ります
ハカを行うオールブラックスの選手たち  


初めてハカを見たときは ビックリしました! 

大男たちが 
両足を大きく開いて中腰になり 足を踏み鳴らし


 ハカの最中に相手を睨みつける選手  

拳を握りしめた両手を威嚇するように動かし
ギョロリとした目で 相手を睨みつけ
威嚇するような大きなうなり声で 
独特の節回しで 叫び うなります

 ハカの最中に拳を握りしめた両手を威嚇するように動かす選手 

最後には アカンベーをするように
舌を大きく出したり 

ハカの最中に舌を大きくだす選手  

手刀で首を切るような仕草を
することもあります

 ハカの最中に手刀で首を切るような仕草をする選手  

ハカをされる相手チームは 
全員が肩を組んで横一列に並び 
睨み返すようにしていますが 
気持ちがよくないのではないかな?(笑)

 ハカを前にして全員が肩を組んで横一列に並ぶ相手チームの選手 


ハカのオリジンは
ニュージーランドの原住民のマオリ族の 
戦いの前に相手を威嚇するために行われる
ウォークライと呼ばれる踊りです

 マオリ族のハカ 

しかし現在では 
戦いの踊りというより
相手に敬意や感謝を示す舞とされていて
結婚式 卒業式などの祝いの席でも
披露されているそうです

また 葬儀の場でもハカが行われるようで
若くして亡くなった大スター選手だった
ヨナ・ロムーの葬儀では
何度もハカが踊られていました

突進する今は亡きヨナ・ロムー選手

悲しみをこらえてのハカも
心を打つものがあります


さて オールブラックスは
1905年のイギリス遠征で 初めてハカを披露しました 

1905年のイギリス遠征で初めてハカを披露するオールブラックスの選手たち 

自分たちを鼓舞するためだけでなく 
相手に敬意を表する意味も込めて
踊られたそうです 

このハカは「カマテ」と呼ばれます 

カマテ カマテ オー 
カオラ カオラ オー 

初めて見たときは 
頑張って 頑張って オー 
叫んでいるように聞こえました(笑)


 カマテの動きの詳細な説明図 

私は死ぬ 私は死ぬ 
私は生きる 私は生きる 
見よ この勇気ある者を 
太陽の光の中に昇れ 

といった
マオリの伝承にまつわる
深い意味がある歌詞のようです


 カマテの動きの詳細な説明図 


普通の試合では 
このカマテが踊られますが 

この試合には絶対勝つぞと 
特別に意気込んで臨む試合の前には 
カマテとは異なるハカが披露されます 

それが「カパ・オ・パンゴ」で
2005年8月の南アフリカ戦で
初めて披露されました 

2005年8月に初めてカパ・オ・パンゴをするオールブラックスの選手たち 

この頃のオールブラックスは 
1998年頃からの低迷期を抜け出せずにいて 
1999年 2003年のワールドカップでは 
決勝にも進めず敗退し 
チームの求心力も低下していました 

また トンガ フィジー サモアなどからの選手も増え 
マウイ文化の踏襲だけでチームを束ねることが
難しくなっていました 

そこで  当時のキャプテンのウマガらが中心になり 
(渋いプレーをするセンターでした!)

 カパ・オ・パンゴをするウマガ選手  

オールブラックスの選手として
戦うことの 意義を問い直し 
新たな自分たちのハカを1年かけて作ったのです 


よく聞け オールブラックスよ

国をひとつにさせてくれ 
大地とひとつになろう 
ニュージーランドの大地が鳴動している 

ここが正念場だ がんばりどころだ 
今こそが 奮起するとき 輝くときだ

我々はオールブラックスだ!

 カパ・オ・パンゴの動きの詳細な説明図 

このカパ・オ・パンゴを 
初めて披露した南アフリカ戦で
オールブラックスは久々に接戦で勝利し 
復活を遂げました 

ちなみに カパ・オ・パンゴ とは 
黒のチーム という意味で 
まさにオールブラックスに他なりません


ところで このカパ・オ・パンゴ
先日 ワラビーズに雪辱した試合の前に
披露されたものですが
先にお見せした2005年のものとは
最後が微妙に異なることに
気付かれたでしょうか?

2005年のときは
最後に手刀で首を切るような仕草をしました

手刀で首を切るような仕草をするオールブラックスの選手たち

これは本来は
相手の首を切る挑発的な意味ではなく
自らの首をかけて戦う意気込みを示すもの
なのですが
相手チームに不快感を与える可能性もある
との指摘もあって
最近はこの仕草はやらないようです


昨日 ついに開幕した ラグビーワールドカップ
 
オールブラックスはどの試合で 
カパ・オ・パンゴを披露するのでしょう?

カパ・オ・パンゴをするオールブラックスの選手たち

とても楽しみです!


最後にもうひとつ  
オールブラックス・ネタを

サッカーのワールドカップで
日本チームが試合後に
ロッカールームをきれいに掃除したことが 
美談として報道されましたが

オールブラックスは
昔から そんなことは当然のこととして
行ってきたそうです

  試合後にロッカールームをきれいにするオールブラックスの選手たち 

なぜなら
オールブラックスが最高に貴ぶものは 
「品性」だから 

ラグビー憲章で示された5つの言葉のうちで 
オールブラックスは 品性 を 
最も大切にしているそうです

 品性を尊ぶオールブラックスの選手たち 

品性は才能に勝る 

品性と規律正しさは  
自己認識と謙虚さから生まれ 
そこから責任やリーダーシップが生まれる

勝つには才能が必要だが
勝ち続けるには品性が求められる 


オールブラックスのメンバーになると
ことあるごとに こうしたことを
コーチ キャプテン 先輩から
叩きこまれるそうです 

コーチから指導を受けるオールブラックスの選手 

そして 
オールブラックスのメンバーになるには 
才能豊かであるだけでは不充分で 
謙虚さと品性がないと
メンバーには選ばれないとのこと 

ワールドカップに出場するオールブラックスのメンバー 

だから 試合後のロッカールームの掃除なんて 
彼等にとっては当然のことだそうです

どうです?
オールブラックスを  応援したくなりましたか?
高橋医院