うつ病には
*こころの症状 
*からだの症状 
があります

うつ病のこころの症状とからだの症状をまとめた図

今日は こころの症状の説明をします


<抑うつ状態 うつ病>

まず 抑うつ状態 うつ病 があって
混乱するので
その違いについて解説します

端的に言うと
状態が重症になるにつれて
抑うつ状態からうつ病へと進行していきます

抑うつ状態からうつ病への進展を示す図

気分の落ち込み 抑うつ状態は
誰しもが日常的に感じ得ることで
病気ではありません

うつ病はその延長線上にありますが

うつ病になると 
症状の量も質も異なってきて
はるかに強く 長く 苦しくなり
生活への支障が大きくなってきます

一晩寝れば元に戻る 
何か気晴らしをすれば元に戻る
というような場合は抑うつ状態であって 
うつ病ではありません

うつ病では

・症状が強い
・妄想的になることがある
・自殺を考えることがある
・日常生活に影響が及ぶ
・仕事や趣味が全く手につかない
・良いことがあっても気分が晴れない
・2週間以上 改善することがなく長く続く
・人との接触を嫌がる
・周囲から見て理解できない
・はっきりとしたきっかけがない

といった特徴的な症状が見られます

うつ病の特徴的な症状をまとめた図

さて うつ病の症状は
本人よりも周囲の人が気づく場合が
少なくありません

<周囲から見てわかる症状>

@家族 友人 同僚が気付く症状として

*表情が暗い
*周囲との会話 口数が減った
*昼食などでも一人でいることが多くなった
*涙もろい
*反応が遅い
*落ち着きがない
*飲酒量が増える

といったことがあります

家族 友人 同僚が気付く症状をまとめた表

@職場では

*遅刻 欠勤 早退が増える
*仕事でのミス 事故が増える
*仕事の能率 判断力の低下が見られる

といったことが指摘される場合は うつ病が疑われます

職場の人が気付く症状をまとめた表


<こころの症状>

@診断の必要条件

うつ病の診断のスタンダードである
DSM-5・診断基準では

*抑うつ気分

*興味または喜びの喪失

のどちらかがあることが
うつ病を診断するうえでの必要条件になっています 
うつ病の診断基準

@抑うつ気分

朝の抑うつ気分が強い
悲しく憂うつになる
何の希望もない
気落ちする 落ち込む
毎日の生活に張りを感じられない

こうした気分がずっと続いてしまい
仕事や勉強ができなくなってしまうほどの状態になり

一日中 ほぼ毎日
2週間以上続くことが目安になります

抑うつ気分について説明する図

@興味または喜びの喪失

以前と比べて
何事にも興味や関心がもてなくなってしまい
普段の生活にも影響をおよぼします

女性であれば
毎日当然のように おしゃれや化粧などをしていたのに
そのようなことをする気になれずに 
外出もしなくなります

患者さんは
家で寝ている ごろごろしているだけになりがちで

周りの人は
「なぜこの人は何もしないのか」と感じ
「なまけている」と考えてしまいがちですが

とてもつらい思いで横になっていることが多いこと
理解してあげることが大切です

興味または喜びの喪失について説明する図

このふたつの核となる症状以外にも
うつ病でみられるこころの症状がありますので
次回 引き続き説明します
高橋医院