ナマ・広瀬すず!
あの時 こうしていれば 今の私たちは 違った境遇で生きていたかもしれない と なぜか生き延びてしまった 歴史的に世界的に超有名な あのカップルは思うのですよ そして 昔の若き日の自分たちが悩み苦しむ姿を見て 時空を超えて そこにリアルに介入していこうとする なんだか わけのわからないお話ですね(笑) 久し振りに訪れたのは 池袋の東京芸術劇場 いや もしかしたら 初めてかな? 総ガラス張りの天井は 開放感がいっぱいです 今日の演目は Q この方が クイーンのアルバム「オペラ座の夜」 にインスパイアされて ロミオとジュリエットをモチーフに 新作の戯曲を書き上げ演出をしました そのあたりのいきさつを ご本人自身が こんな風に語られています 書き手がわざわざ あまりなじみのない池袋まで足を運んだのは この方が演出する舞台を 久し振りに観たかったからです 野田秀樹 ”さま” かな?(笑) 懐かしい! 書き手が学生の頃 劇団・夢の遊眠社を駒場小劇場で立ち上げられ 意味不明だけれど面白い 言葉遊び満載の台詞が マシンガンから発射されるように 間髪入れずに放たれ 奇想天外な動きが 爆発するように 実にシンプルな構成の舞台で展開される そんなエキセントリックな舞台を作り上げ 一世を風靡した演出家さんです 安倍公房の芝居が大好きだった書き手は ある意味でそれを引継ぐような野田さんの芝居に けっこう足しげく通ったものです 本当に懐かしい! そんな野田さんの舞台を 久し振りに楽しむことにしました 別に 広瀬すずの初舞台が 見たかったわけではありませんよ(笑) あと クイーンの音楽を楽しみたかったからでも ありません クイーン 去年は映画で大ブレイクしましたが 個人的には あまり魅かれるものがない 野田さんが あのアルバムにインスパイアされた理由には 多少の興味はありましたが 舞台は 2幕構成 第1幕では ロミオとジュリエットが 源平それぞれの御曹司 お嬢さまという設定で お約束の悲恋ストーリーが展開されます ロミオは 平の瑯壬生 ジュリエットは 源の愁里愛 野田さんらしいお遊びです(笑) リアルのロミオとジュリエットを 広瀬すずと志尊淳が演じ なぜか生き残って現代に生きる ロミオとジュリエットを 松たか子と上川隆也が演じます 松さんと上川さんが 広瀬さんと志尊さんの演技を観ながら あの時こうしていればよかったのにと リアルにちょっかいを出して絡んでいくという 時空を超えた 妙にシュールなストーリーが展開されます 脇を固めるのは 竹中直人をはじめとする手練れの役者さんたち マシンガントークのような ハイテンポな言葉遊びが飛び交い シンプルな舞台装置の間を 役者さんたちが駆け回ります もちろん 野田さんご自身も ジュリエットの乳母役で 軽妙な演技を見せられます この空間 雰囲気は 昔と変わりません 舞台上では 松さんと上川さんが 昔の自分たちを思いだしていますが 客席では 書き手が 遊眠社の舞台を見ていた若かった頃を 思い出していました(笑) こちらが初舞台の 広瀬すずさん ナマのすずさんを 初めて拝見しましたが 元気いっぱいに 野田ワールドに溶け込んでいて なんの違和感もありませんでした ただ 張り切りすぎてセリフが絶叫調で ときどき何を言っているのか わからなかった(笑) でも 隣で観ていた方は 「彼女の声は素敵で 台詞が良く通るね!」 と感心されていました なによりも 楽しそうに演じていたのが良かったです なんとこの初舞台で 紀伊国屋演劇賞の個人賞を受賞されたそうで それだけ期待が大きいのでしょう おめでとうございます! 今回は 元気の良さに圧倒されましたが そのうちに しっとりとした魅力も見せてくれることも 期待したいです!
高橋医院