消費者の肉食に関する意識の変化
近年 欧米では 消費者の肉食に関する意識の変化が見られています アメリカの消費者の1/4 イギリスの消費者の半数近くが 肉の消費を減らす計画をたてていて あらゆる観点からリスクの高い肉食を減らそうという 世界的な流れがあることは間違いありません <アメリカ> アメリカの成人の54%は 動物性食品の(肉 乳製品 卵)を減らし 植物性食品を増やそうとしており 成人の47%が屠殺場の禁止を支持し 33%が畜産の禁止を支持しています 一般消費者の36%が 日常生活で代替肉を使うことがあると回答し そのうちの66%が「肉よりも健康的だ」と答えています そして31%が代替肉を食べる理由として 「肉を食べない日」を意図的に作りたいからだと答えています 興味深いことに 代替肉に関心を有している人の90%は ヴィーガンやベジタリアンではなく これまで肉を日常的に食べていた人 こうした人こそが 代替肉の消費拡大のターゲットと見做されています <ヨーロッパ> 市場での植物由来のタンパク質の増加は EU各地で見られ 年増加率は14%と推測されています 特に若い消費者の間で 植物性由来のタンパク質への移行と フレキシタリアン ベジタリアン ヴィーガンの増加に伴う 食事パターンの変化が見られ 消費者が 食肉の原産地や 有機や動物福祉基準への準拠といった生産方法に ますます重点を置くようになるとともに 量よりも品質を好むようになっています ベルギーで2019年に行われた調査では 消費者のほとんどが代替肉について 肯定的または中立的な意識を持っていたそうです また代替肉の魅力として一番大きいのが 「動物の苦しみ無く肉を食べることができること」だ という結果も得られています <ヴィーガン フレキシタリアンの増加> 代替肉がここまで注目されている状況の背後には ヴィーガン フレキシタリアンの増加があります @ヴィーガン 以前 日比谷にあるヴィーガン料理のお店を紹介しましたが ヴィーガンはベジタリアンと異なり 肉 魚だけでなく 卵も乳製品も摂らない人たちです 「生き物を殺したくない」という思いが念頭にあり 卵もミルクも家畜から生み出されたもので それらを得る飼育環境は劣悪なので 動物愛護の観点から 卵も乳製品も摂らない人が多いそうです またヴィーガンの中には 環境問題を真剣に考えている人も多く 大量の温室効果ガスを出す畜産を減らすためには 肉をやめるところから始めなければという思いがあるとのこと このようにヴィーガンは 健康や環境意識がとても高く 1980年~2000年に生まれたミレニアル世代に多く存在します ヴィーガンは人口全体の3% ベジタリアンは5%に過ぎませんが 2014年からの増加率は 3年間で6倍もあり 2017年には1960万人のヴィーガンが アメリカにはいるそうです まずベジタリアンになり 数年たってからヴィーガンになった人がとても多く かつては女性主導だったヴィーガン・ライフスタイルに 今や男性も注目しています 若い世代にとってヴィーガンは かつて抱かれていたような 過激で不健康というネガティブなイメージは全くなく むしろクールでファッショナブルととらえられ ビヨンセ マドンナなどのミュージシャン ブラッド・ピット ナタリー・ポートマンなどの俳優 イギリス王室のハリ―王子 メーガン妃 テニスのウイリアム姉妹などのスポーツ選手 らがヴィーガンであることを公表していることも ヴィーガンの増加に影響しているようです @フレキシタリアン 肉食を減らしたいが 完全な菜食主義者にはならず 地球を救うための食生活を貫くというほどの信念を 必ずしも持ち合わせていない人たちで いわばマイペースで 少し緩めのスタンスのベジタリアン 最近 増えているそうです フレキシタリアンが代替肉に引かれるのは 地球の温暖化要因を減らすというより 健康によいという考えの方が強いそうです
高橋医院