前回 紹介した
消費者の肉食に関する意識の変化が背景となり
欧米では代替肉が大きく注目されています

<アメリカでの現状>

2019年4月から
インポッシブル・フーズ社が開発した
植物肉の「インポッシブル・ワッパー」が
バーガーキングで販売開始されましたが

インポッシブル・ワッパー

予想を上回る販売数量を記録したことから
同社は8月から全米の店舗で同商品を販売しています

2019年8月からは
ケンタッキーが植物肉の「ビヨンドフライドチキン」を
アトランタの店舗で試験販売開始しています

ビヨンドフライドチキン

2019年9月からは マクドナルドが
カナダのオンタリオ州南部の28か所で
ビヨンド・ミート社の新しい植物肉バーガーを
12週間テスト販売すると発表しました

植物肉バーガーをテスト販売しているお店

<ヨーロッパなどでの現状>

カナダ ドイツ ブラジル イスラエルなどでも
代替肉ムーブメントが展開されています

ヨーロッパでは
マクドナルドがドイツやスウェーデンなどで
ヴィーガン・バーガーの販売を開始しています

ヴィーガン・バーガー

イスラエルでは
植物肉を本物の肉の形に造形する3Dプリンターが
独自に製造されました

植物肉を本物の肉の形に造形する3Dプリンター

<アジアでの現状>

中国での調査では
代替肉の購入する可能性が
高い人は16.5%
おそらく購入する人が36.6%
わからない人が25%
と 概ね好評のようです

中国で販売されている代替肉

さらに
従来の動物飼育による肉を選択した人が29.8%だったのに対し
植物肉を選択した人は30.7%
培養肉を選択した人は38.6%
という報告もあります


インドでは2018年に行われた
培養肉が市場に出回ったらどの肉を好むかという調査で
従来の動物飼育を伴う肉を選択した人が
16.1%だったのに対し
植物肉は43.1% 培養肉が36.5%という結果で 
中国よりも多い支持が得られているようです

インドで販売されている代替肉

<日本での現状>

では 日本はどうでしょう?

@開発の現状

2019年3月
培養肉のステーキ肉を 日清食品と東大が共同開発しました

日清食品と東大が共同開発した培養肉
培養肉でできたステーキ

ステーキ肉に挑んでいるのが特徴で
ひき肉は簡単にできますが
大きな肉の塊にするには高い技術が必要とされます

森永製菓では
動物性の素材を使わない植物性の代替肉の
ZEN MEAT」を開発・製造しています

ZEN MEAT

原料の大豆に玄米を加え 
食肉とそっくりの食感を再現したそうです


大塚製薬は2019年8月から
レトルトハンバーグの「ゼロミート」を販売しています

ゼロミート

味の再現のために パルミチン酸 オレイン酸を使用し
本物の肉と比べ 
脂質が6割 カロリーが8割弱とのことです

ソーセージ風も発売済みで
「ハム」「ミートボール」「ナゲット」の開発も狙っています


@製品の販売状況

首都圏の一部のスーパーでは
2018年11月から
植物肉でできているレトルトハンバーグが販売されています

モスフードは2015年から
大豆由来の植物性タンパクを主原料とする
パティのハンバーガーソイ モスバーガー」を販売していて
従来肉よりカロリーが50Kcal低いのを売りにしています

ソイ モスバーガー

イケア・ジャパンは2019年から
ひよこ豆 レンズ豆 
グリーンピース ケールなどを材料にした
「ベジソーセージ」を挟んだ「ベジドッグ」を販売し
ホットドッグ類の売り上げの10~15%を占めています

ベジドッグ

値段は通常のものより20円高いのですが
カロリーは3割少ないそうです


@海外企業は日本市場には期待していない?

最近の報道によると
アメリカの大手企業のビヨンド・ミートは
日本進出計画を取りやめたようです

日本はまだ
代替肉市場として期待できるレベルではないと見做したようで
アジアではシンガポールと香港のみで販売するそうです

シンガポールと香港のみで販売されているビヨンド・ミートの代替肉
高橋医院