利他主義で行こう!
ジャック・アタリのインタビュー やっと佳境に入ってきます @利他主義 ここで アタリが主張する「利他主義」について 熱く語られます 危機に直面した今こそ 他者のために生きるという 人間の本質に立ち返るべきである 協力は競争より価値があり 人類はひとつであることを理解すべきである 利他主義という理想への転換が 危機に瀕した人類のサバイバルの鍵である 利他主義は 合理的な自己中心主義である 利他的であることは ひいては自分の利益になる たとえば 自分が感染されないためには 他人の感染を確実に防ぐ 行動 努力が求められる 他者の利益のために 全てを犠牲にすることではなく 他者を守ることで自分を守り ひいてはそれが 家族 コミュニティ 国 世界の利益につながる ポジテイブに生きて 自分たちの安全のために最善を尽くし 世界規模で経済を変革することができれば この危機を克服できる おー アタリさん 熱く語りますね! 彼の十八番の利他主義は ちょっとわかりやすすぎて ストレートすぎない? という感じがしないでもないですが(笑) でも 76歳になって そうしたことを熱く語れるのは 凄いことだと思います! @ポストパンデミックの経済 ついで 経済を全く新しい方向に 設定し直さないといけない と語ります 今回の危機が明らかにしたのは 健康 食品 衛生 クリーンエネルギー 教育 文化 研究 といった 命を守る分野の経済価値の高さだ これらを合計すると 各国のGDPの5〜6割を占めるが 危機を機にさらに割合を高めるべきだ 生きるのに本当に必要な分野に 集中することが大切で 医療機器 病院 住宅 良質な水や食品の生産 そうしたことを 着実に長期的に行える経済システムへ 変換しなければならない 経済の非常事態は長く続くだろうが これらの分野を犠牲にした企業の 救済策を作るべきではない そして企業はこれらと関係のある事業を 探していかなければいけない また ワクチンと治療薬に 極めて多額の資金を充てる必要がある 今回の問題は ワクチンや治療薬がなければ解決しない うわっ 来ましたね! これも真っすぐすぎるような主張です おっしゃることはよくわかるし 確かにそうだと思いますが でも ホントにそんな転換ができるのかな? @アジアはどうなる? 少し趣向を変えて 中国はどうなる?と問われます 技術を持った国としての存在感は高まったが 中国という国の透明性のなさに 世界からはますます不信の目が向けられる 中国が世界の中心に のし上がることはないのではないか? ついでに 日本はどうなる? 日本は 国の結束 知力 技術力 慎重さを全て持った国 島国で出入国を管理しやすく 対応も他国に比べると容易なので 危機が終わったとき 日本は国力を高めているだろう えーっ 社交辞令じゃないの? ホントにそんなふうに考えていますか?(笑) @ポピュリズムは勢いを増すでしょうか? 自国ファーストでバラバラに行動した方がうまくいく と唱える勢力が力を伸ばす傾向は確かにあるが 私は悲観的ではない 今は金融でも産業でも ヨーロッパの結束が強まっている EUだけでなく 世界は危機に対して 各国が共有するルール作りができないといけない これは EUを支持するヨーロッパの知識人として 絶対に譲れない一線なのでしょうか? @パンデミック後のあるべき未来について どう思われますか? インタビューの最後にそう問われると 歴史を振り返ると 人類は恐怖を感じるときに大きく進化できる 今回のパンデミックを利用して 利他的な社会や経済 ポジテイブな社会 共感のサービス に取り組んでいくべき 大切なのは 次世代の利益になるように行動すること そうすればそれが希望になる パンデミックに向き合うことは あるべき未来を考え それをたぐり寄せることだ 書き手はこれまでアタリさんに フランス人らしく少し斜めに構えて ポイントは鋭く抉る という印象を持っていたのですが 今回のインタビューは 聞いている方が少し恥ずかしくなるくらい ストレートでピュアで真剣な意見を聞けて ひねくれモノの書き手は ちょっとびっくりでした でも 清々しい感じもしました 彼が若い頃 ミッテランとも 同じような理想を語っていたのかな? アタリが思い抱くような そんな未来になると良いですね!
高橋医院