NHKの
パンデミックが変える世界
 海外の知性が語る展望」

「パンデミックが変える世界」の画面

アメリカの国際政治学者で
「G0の時代」の著者
イアン・ブレマーさんの登場です

著書で
現代の国際社会におけるリーダー不在を指摘し
世界的に注目を浴びたそうですが
書き手は勉強不足で
あまり馴染みがありません

朝日新聞が4/29に
彼へのインタビュー記事を載せていたので
その内容も合わせてご紹介しようと思います

朝日新聞でのインタビューの紙面


@パンデミックの世界への影響は?

経済より政治がヤバイ
世界秩序が変わるだろう

こうした状況でリーダーに問われるのは
感染制御 経済復興の
「どちらか」の選択ではなく
トレードオフ・妥協点の見極めだが

それを確実に行えるリーダーが
今の世界にいるか?

と 政治の危機について語り始めます

さすがは 国際政治学者です

語るブレマーさん


発展途上国は
国内の経済危機に対応できない

他の国も助けないので
悲惨な状況になり 社会不安が広がり
過激な状況が生まれてくる可能性がある

石油戦争も勃発しているので
産油国の状況も予断を許さない

世界では パンデミックの前から
アメリカと中国の対立 
EUの分裂 などがあり
不況が生まれかねない状態だったところに
追い打ちをかけるようにパンデミックが起こった


グローバリゼーション 
サプライチェーンは崩壊する

グローバリゼーションをあきらめ
サプライチェーンを自国内に戻すようになる

地政学的後退 
景気後退 
グローバリゼーションの分裂
が同時に起こるだろう

語るブレマーさん

パンデミック後は
これまでとは全く違う世界になる

物流は 
在庫を抑えるジャスト・イン・タイム方式から
危機に備えて在庫を確保する
ジャスト・イン・ケース方式に転換する

経済活動は
世界に広がるグローバル展開から
消費者に近いローカルなものに
移行するだろう

製造業も サービス業も 
いっぺんにダメになる

人の作業がなくても済むオートメーションが進み
多くの人が将来のものとして予想していた第4次産業革命が
一気に到来するだろう


政治も経済も 
ずいぶんと悲観的な見方ですね!

書き手の認識が甘いだけで
本当にコロナ後の世界は 
そんな具合になるのかな?

一気に変化するのでしょうか?


@では いったい どんな世界になるの?

世界は協調できなくなる
不信感が募り 内向きになる

民族主義 ポピュリズムが台頭してきて
コントロールすることができなくなる

発展途上国では
中国のような強権モデルに
魅力を感じる人が増える可能性もある


米中の相互依存は弱まり
テクノロジー分野の冷戦が激化する

米中関係について語るブレマーさん

パンデミック収束後には
中国の存在感が大きくなるだろう

中国は ヨーロッパや他の世界の国々に
マスクなどの物資や医療チームを派遣して手助けして
存在価値を高めようとしている

世界の注目は
中国の政治体制や人権の問題より
シャットダウンから脱却できない欧米と
経済活動を再開する中国の対比に
移っているので
新型コロナと効果的に戦う模範モデル
と見なされる利益を享受できる


一方 自国ファーストのトランプのアメリカは
これまでのような国際的リーダーシップは
絶対にとらない


世界秩序は どう変化するかというと

新興国がへたって
富める国と富まない国の格差が広がる
アメリカ ヨーロッパ内での格差も広がり
どんどんと秩序のない世界になる

ビジネスの世界では
ハイテク企業が力を増し
実店舗型企業は倒産する

特に注目すべきは
パンデミックの最中に
情報やモノを届けてきたIT企業の役割で
冷戦時代の軍産複合体のように
政府とIT企業の連携が進むだろう


@では 危機を乗り越えるために
 社会の在り方や人の生き方を
 どのように変えるべきなのでしょうか?

犬を飼うといい!

犬と一緒にいると 気持ちがやすらぐ
朝に瞑想するのも良い

犬を飼うといいと語るブレマーさん

ええーっ 本気なの ジョークなの?
ネコではダメなの?(笑)

9・11では人は団結できたが
今回のパンデミックでは
人々はアパートに引きこもるので
人間関係が希薄になり 人間性が奪われかねない

だから 人間性を失わないように注意して
いつもと違うことをするようにする

SNSやラインでなく
ダイレクトに人とつながることが大切

確かにそう思うけれど
ソーシャルデイスタンスがね(笑)

いずれにせよ
個々人のレベルでの賢い対処がポイントになる

犬の話で笑いをとり
最後はしっかりとポイントを突きながらも

犬をかわいがるブレマーさん

なんとなく突き放した感じがする
ブレマーさんでした(笑)
高橋医院