ポストコロナの社会では 監視の質が変わる
ハラリさんは心配されます

語るハラリさん

政府も企業も近年
これまで以上に高度な技術を駆使し
市民を追跡し 監視 操作している

今回のパンデミックは
監視の歴史における重大な転換点に
なりかねない

これまでは
大量の監視ツールの配備を拒んできた国でも
こうした技術の活用が
常態化するかもしれないだけでなく

監視対象が「皮膚の上」から「皮下」へと
一気に進むきっかけにもなる


<生体情報の監視・収集システム>

新型コロナ発生を機に
監視の関心の焦点は 人の体温や血圧に移っている

生体情報を収集できる
ブレスレッド 時計 シールなどの着用で
血圧 体温 心拍数などのデータが収集される

生体情報を収集できるブレスレットの写真

監視技術はすさまじい速さで発展しており
政府は測定データを蓄積し
アルゴリズムで分析する

シール型の体温測定装置の写真

アルゴリズムによって
当該人物が何か病気にかかっているかを
本人よりも先に識別するだけでなく
どこにいたか 誰と会っていたかまで
把握することが可能になる

そうなれば
感染が連鎖的に広がるのを
劇的に短期間で抑え込めるようになるだけでなく
その感染すべてを封じ込めることさえ
可能になるかもしれない


<知らぬ間に 感情も監視される>

だが これにはマイナス面がある
ゾッとするような新しい監視システムが
正当化されるということだ

新しい監視システムのイメージ図

企業や政府が
私たちの生体データを一斉に収集し始めれば
彼らは私たち自身よりもはるかにしっかりと
私たちのことを理解できるようになり
感情を予測するだけでなく 感情を操作したり
私たちに商品や特定の政治家など
何でも売り込むことが可能になるだろう

今までは
オンラインでどんな記事を読んだか
わかるだけだったが

これからは
血圧や心拍数の解析により
その記事を読んで
どういう感情を持ったかわかるようになる


<パンデミック収束後も監視体制が続くリスクがある>

こうしたテクノロジーは既に準備万端で
今は それらを活用し始める正当な動機がある

ロックダウンと隔離政策が
国民の監視政策を後押ししている


緊急事態が終われば
そうした措置は廃止すればよいが

残念ながらそうした一時的な措置は
新たな緊急事態の芽が常に潜んでいるため
緊急事態が終わっても続きがちだ

なぜなら 政府は国民を監視したいから

規制や規則は独り歩きして長く維持される
危機が終わればいつも通りに戻ると言うのは
幻想に過ぎない


政府による国民監視のイメージ写真

たとえば
イスラエルが第1次中東戦争の緊急事態宣言で
設定 正当化された
メディアの報道内容の検閲 土地の押収
プディングの生産に至るまでの特別な規制は
約50年間続いて
プディング緊急規制令は2011年に廃止された


新型コロナの新規感染者がゼロになっても
データを入手したい一部の政府は
新たなパンデミックに備えて
生体監視を継続すべきと主張する可能性がある

国の指導者は
緊急時に手に入れた権限を手放すことには
消極的になる


<そうした傾向にどう対処したらよいのか?>

多くの国で
健康管理のために個人の健康データを収集・管理する
疫学と情報収集に特化した新しい組織を作るべきで
個人の健康データを
決して警察に渡してはいけない

監視は両方向的であるべきで
民主的でバランスのとれた方法で
監視することもできる

データの透明性が確保されなければならない
政府の決定にも透明性がないとダメ

自国の政府の決定を監視できる力を
市民が持つべきである

監視について議論する際
様々な監視技術は
政府が市民を監視するために使えるだけでなく
市民が政府を監視するためにも使えるという点を
忘れてはならない

重要なのは
監視の権限を 警察 軍 治安機関に与えないこと

独立した保健機関を設立して監視を担わせ
感染症対策のためだけに
データを保管することが望ましい
そうすれば 人々から信頼を得ることができる

こんなこと 全く知りませんでした
ホントにビックリです!

自分がネットで何を見たか
それを知られるだけでも
少なからず抵抗がありますが

それを見てどういう情動を持ったかまで
第3者に知られてしまうなんて
想像することが困難です

本当に そんな世の中になってしまうのでしょうか?
高橋医院