withコロナ時代の新たなグローバル経済への提言
グローバル資本主義の ルール 価値観が変わろうとしている というナレーションが入ったあと 番組の最後に 未来への提言が語られます セドラチェクは パラダイムチェンジが起き 働き方のスタイルが変わる と予測します これまで長い間検討されて実現できなかったことが コロナ危機のおかげで あっという間に短時間で実現できてしまう スティグリッツは 21世紀の新しい経済システムを作るチャンスで 回復の優先順位を考えるべきだ 人類は世界的な気候変動の危機にあるのだから 気候変動対策のための再生可能エネルギー拡大に行うべきで 環境を守ることを 経済再構築の第一優先事項とすべき と主張します 飯田さんは 資本主義経済を発展させるためには 資本主義経済以外のものを発展させなければならない と語られます メーリングさんは 新しいグローバリゼーションを作るには 経済的パラダイムシフトと同様に 社会的パラダイムシフトが必要になる これまでと同じでは生き残れない 経済的自立政策に逆戻りしたら 誰もが損をしてしまうから この状況から抜け出して どうにかすることに賭けるしかない 実際に何が可能なのかを知る唯一の方法は 計画を立てるのではなく 実際に何かを作り始めること トップダウン方式ではなく 専門家の意見だけに頼るものでもなく 他国の様子を見ながら良いものは取り込んでいく そんなスタンスが望ましく 各国がそれぞれ進化して 新しい世界と政治的に関与しながら 連携を作っていくことが大切 と 国際協調の重要性を指摘します 早川さんも 国際協力が必要と力説され ある国が感染管理で成功すると 他の国も経済的にも衛生的にもハッピーになる 逆に失敗すると 他の国に迷惑をかけることになる と 感染管理の評価について語ります シャルマさんは 今は世界中が危機の中で冷静さを失っていて 今後は 脱グローバリゼーション 負債恐怖の勢いが強くなるので どう対応するか慎重に熟考していくべきと述べます 小幡さんは 日本は世界でいちばん思考停止に陥っていて いつまでも軸が定まらない社会になる恐れがある と指摘します これまで不安がなさ過ぎたから ボーっとして思考停止になったので やみくもに安心ばかり求めてもうまくいかない 逆に不安がありすぎても 思考停止になる 不安と安心の狭間で 思考停止しないようにすることが大切だと説きます ガブリエルは カミュは 我々は現実にはひとりだということを示した 死ぬときはひとりだ そんな実存主義への反論は ハンナ・アーレントの「出生の概念」 未来が存在するという事実を 我々は考える必要がある 今 この瞬間 深く未来を形作れるはず そのことを新実在論が教えてくれる 未来は自動的に決まっているのではなく 根源的に開かれている グローバル経済は複雑に拡大してきたが その原理は単純で 利潤を最大化すること 今まさに ウイルスという資本主義の外部からの衝撃が グローバル資本主義に疑問を突き付けている と 最後まで哲学的でした(苦笑) 最後にまとめたのは セドラチェク 世界はグローバル経済に疲れた状態なので これを機に 休息をとるのも必要かもしれない テレビもスマホもネットもない 世界のあらゆる狂気もない暮らし パンデミックの意味を象徴的に読み解くと そういうことかもしれない セドラチェクのユーモアで 番組は終わりました 各人各様の提言で 面白かったのですが ポストパンデミックでは 各国が内向きに孤立するのでなく国際協調が必要だ という意見が多く見られたのが印象的でした うまくいくのかな? で 今回の番組では ガブリエルの話が難しかった 皆さん 比較的ストレートに経済問題を語られたので わかりやすかったのですが さすが 哲学者の話は難しい でも 面白い(笑) やはり 彼が書いた「新実在論」を きちんと読まないといけないのかな?(笑)
高橋医院