パンデミックに続いて インフォデミック?

また新しいウイルスが出てきたの?

こういう根も葉もない噂が
インターネットを通して世間に広まる

こうした現象を
「インフォデミック」と呼ぶそうです


<インフォデミックって なに?>

情報(Information)と
感染症の広がりのエピデミック(Epidemic)を
組み合わせた造語で

インフォデミックの語源を説明する図

2003年のSARS流行時から 使われ始めたそうです

ネットで 
噂やデマも含めて大量の情報が氾濫し
現実社会に影響を及ぼす現象で

正しい情報と不確かな情報が混じり合い
人々の不安や恐怖をあおる形で増幅 拡散され
信頼すべき情報が見つけにくくなる
ある種の混乱状態をさします

根拠のない憶測や情報が
インターネットやSNSを介して 
瞬時に多くの人に伝わり
情報の真偽の見分けを困難にして
恐怖や混乱を引き起こし社会を混乱させます

インフォデミックについて説明した図


<インフォデミックが社会に引き起こす現象>

デマは
正しい情報か不確かな情報かの区別がつかないので
容易に広がりやすいため 余計に厄介です

デマの厄介さを説明する図

インフォデミックにより
相反する偽情報をベースとした過剰な非難の応酬が
ウェブ内で“炎上”して
集団心理を右往左往させてしまいます

また 買い占め 買い溜め
素人が専門家を差し置いて目立ちたがる風潮
などが インフォデミックにより起きてきます


<不安と善意が インフォデミックを拡散する>

@不安

インフォデミックは
不安が多い状況下で起こりやすい

不安 恐怖が強く
他者に配慮する余裕がないときに起こりやすく
こうした現象がさらなる不安を呼び
新たな混乱を生むのです

また 不安による混乱は連鎖し
インフォデミックにより
情報が急速に拡散すると
いつの間にか情報の内容が変質することもあります


@善意

一方 インフォデミックは 善意でも拡散します

厄介なのは 
情報の 発信者 拡散者ともに
デマをはやらせようという悪意ではなく
「この情報を人に教えてあげよう」という善意で
情報を拡散させてしまうことです

結果的には デマの拡散に
積極的に寄与することになってしまう

個人は正しいと思って行動したのに
集団にとって悪い結果になってしまうのです
気をつけないと コワイですね!

善意でデマが広がることを示す図


また デマを打ち消そうとする投稿の急増が
逆に社会を混乱させるという
なんとも皮肉な現象も起きているようです

トイレットペーパー騒動では
最初のデマ投稿より
デマを否定する投稿の拡散が大きく

デマを否定する情報を流した人は
「正しい情報を広めたい」
というつもりで投稿したのに
「そんな噂があるなら
 実際に品不足が起こるかもしれない」
と連想する人が増えてしまい
買い占め騒ぎが起きたそうです

ネット社会の情報伝達は 難しいですね!
高橋医院