いよいよ不整脈について説明していきます

<心拍と脈拍>

@心拍

心臓が規則的に繰り返す
拡張・収縮のサイクルで
正確には 心電図で検知 観測します

@脈拍

心臓から送りだされた血液の流れを
手首 首の内側 太腿の付け根 
などなどの末梢の動脈で感じることで
通常は1分間に50~90回

洞調律のときは 心拍数と脈拍数は同じで

不整脈のときは 
心拍と脈拍が一致しなくなることがあり
脈拍が弱い 強い
脈拍が飛ぶ 欠ける
と表現されます

心拍と脈拍について説明した図

@脈拍のチェック

不整脈を早期発見するためには
定期的に自分で脈拍をチェックする習慣を
つけることが大切です

自覚症状が現れたときの
脈拍数 リズムの変化を認識します

脈拍のチェックの仕方を説明した図

@頻脈 徐脈

脈が1分間に
50未満を 徐脈
100以上を 頻脈
とします

脈拍が1分間に50以下になると
息切れ めまいなどの症状が出やすくなり

頻脈になると
動悸 息切れ 胸痛 めまい 失神
といった症状が出ることがあります

明らかな誘因がないのに
突然脈拍が120以上になる場合は
病的な頻脈の可能性があります


<不整脈とは>

正常な洞調律が乱れた状態で
電気系統の異常により心臓のリズムに異常が起きます

*異常に速くなる(頻脈型)
*異常に遅くなる(徐脈型)
*脈拍のリズムが不規則になる(期外収縮)
のいずれかのパターンで

動悸がしたり
脈をとると 異常に遅かったり 速すぎたり
飛んだり 不規則になったりして
気がつくことが多いです

不整脈のパターンについて説明する図

自分では自覚症状がなく
まったく気がつかないのに
健診の心電図で指摘される場合も
少なくありません

@特別なものではない ことが多い

1~2日にわたって心電図を記録してみると
中年以上では ほとんどの人に
毎日1~2個は不整脈が見つかります

年をとるにつれ 
誰でも少しずつ不整脈が増えていき
ストレス 睡眠不足 疲労などでも
不整脈は起こりやすくなります

検診で不整脈だけ見つかった場合は
病気とは関係のない不整脈であることがほとんどです


@特別なものもある

但し 不整脈の種類によっては
心臓のポンプ活動の効率が悪くなり
必要とする血液量を全身に送ることが
できなくなることがあったり

脳梗塞などの重篤な合併症を起こしたり
心停止を起こして命にかかわるものもあります

そのため 
自覚症状があったり 健診で不整脈が疑われたら
医療機関を受診して精査して
放っておいてもよいものか 
きちんと治療すべきものか
正確に診断する必要があります


<原因>

@加齢

最も多いのは 年齢によるものです
加齢の影響で
洞結節や伝達系に衰えが出てきて
不整脈が生じてきます

@心臓の病気に由来するもの

心臓の病気があると
二次的に電気系統の異常が生じて
不整脈が出やすくなります

弁膜症になると
心房や心室が大きくなって
電気の流れがおかしくなり脈が乱れやすくなる

心筋梗塞になると
梗塞された部位の心筋が働かず 
心室細動などの致死的な不整脈も起こります

@心臓以外の病気に由来するもの

高血圧
COPDなど肺に病気がある人
甲状腺に異常がある人も
不整脈が出やすいです

@生理的な反応

運動 精神的興奮 発熱などにより
脈が速くなります

不整脈の原因について説明した図

@自律神経の乱れを誘導する日常生活

ストレス 睡眠不足 過労
喫煙 過度の飲酒
コーヒーなどの刺激物
などにより自律神経の乱れが誘導されて
不整脈の原因になります

 

高橋医院