フランスはいかにしてカオスから抜け出すか?
今年のシックスネーションズの話題の続きです <イングランド> なんと昨年優勝したイングランドが 2勝3敗で5位! ウエールズ アイルランド スコットランドに 全て敗れましたが なんとこれは45年振りの大惨事でした フランスには意地を見せて最後に逆転しましたが 2019年のワールドカップでオールブラックスを破った あの湧き出てくるような前に出る圧倒的なデイフェンスや フィジカルも強くスピード感抜群のBKの攻撃力は いったいどこに行ってしまったのでしょう? いちばん目立ったのが ペナルティの多さで 1試合平均10以上のペナルティを犯していました イトジェやカリーは相変わらず頑張っているのですが チーム全体でどのようにして戦うかという意志統一がなく なんとなく個々人が自らの身体能力だけを頼りに バラバラに戦っているように見えました これまでのように キックを上手く使いエリアを獲得し 着実に仕留めていくというスタイルが影を潜め なにか新しいスタイルを模索してもがいているのかな という印象すら感じました キャプテンのファレルが元気がなかったのも気になります 去年 シックスネーションズもオータムネーションズカップも制しながら キックばかりの戦術は面白くないなどと イングランドの評論家やファンに揶揄されて 自分たちの代表チームにもっと敬意を払うべきだと 激怒りしていたエディさんですが 今回のシックスネーションズの結果を受けて 今頃は手厳しいマスコミによって 彼の進退問題が論じられているかもしれません エディさんは 選手たちからは 絶大なる信頼を勝ち得ているようなので一安心ですが イングランドはどのようなスタイルを目指すのか どのようにして立て直していくのか とても気になるところです <フランス> そしてフランス レ・ブルー シックスネーションズのチームの中で 書き手がいちばんご贔屓にしていて 今回は優勝するのではないかと期待していたのですが イングランド戦で 終了間際にイトジェに逆転トライを喫し惜敗し
ウエールズには ロスタイムでの逆転トライで勝って ウエールズのグランドスラム達成を阻みましたが 優勝へのわずかな期待がかかった スコットランドとの最終戦では 最後に逆転トライを喫して2位に甘んじました チームの平均年齢は おそらく6チームでいちばん若く デュポン ヌタマックの若き才能あふれるHB団が率いる 突進力もスピードもあり オフロードパスを多用して 華麗に軽快にパスをつないでいくプレースタイルは まさにフランスの代名詞のシャンパンラグビーそのもの! 見ていて興奮します!(笑) でも 勝ちきれない まだ圧倒的な力で相手をねじ伏せるまではいかない 何が足りないのでしょう? 今回はヌタマックが1月に顎の骨折をしたため 同年代のジャリベルがSOを務める試合が多かったのですが ジャリベルはヌタマックに比べて 一瞬の閃きはないけれど 全体的には安定した試合コントロールをしていた気がします 一方 デュポンは 献身的なフォローに秀でていて 総じてさすがと思わせるプレーが多かったのですが ときどき肝心なところで判断ミスが出る デュポンにしてもヌタマックにしても 若さが故のプレーの安定性の欠如なのでしょうか? まだシックスネーションズを勝ち抜けるには 熟成度が足りないのかもしれません でも 彼らがこれからさらに経験を積んで修羅場をくぐり もう一皮むけたら フランスは他を圧倒するチームになることでしょう ということで 今年のシックスネーションズは 各チームの力が拮抗していて まさに混沌とした状態でした このカオスな状態から ご贔屓の若きフランスがいかにして飛びぬけるか? それともイングランドが巻き返すか? この先 どんな展開が待ち受けているか とても楽しみです!
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