不整脈の検査と治療
不整脈の診断には 次のような検査が行われます <不整脈の検査> @胸部X線検査 心臓の大きさを評価します @血圧 @血液検査 *電解質 ナトリウム カリウム カルシウム これらが乱れていると 不整脈が起こりやすくなります *血糖値 脂質 *腎機能 *甲状腺ホルモン *BNP 脳性ナトリウム利尿ホルモン 体内の水分が多く 心房の圧が高くなったときに それを調節するために 心室から分泌されるホルモンで 心臓の働きが低下したとき 心不全 不整脈のときに高値を示します @心電図検査 不整脈を見つけるための ファーストステップの検査です @ホルター心電図 通常の心電図検査で異常が見られない場合 携帯式の小型の心電計をつけたまま 帰宅してもらい 体を動かしている時 寝ている時に 心電図がどう変化するかをみます 不整脈の数がどれくらいあるか 危険な不整脈はないか 症状との関係はどうか 狭心症は出ていないか などがわかります @運動負荷心電図 階段の上り下り ベルトの上を歩く 自転車をこぐ といった負荷を与え 運動によって不整脈がどのように変わるか 狭心症が出るかをチェックします @心エコー検査 心臓の形態 心房 心室の機能 弁の動き などをみます 心臓内の血液の流れ 血栓の有無 も観察できます 心エコー検査 運動負荷検査で異常がなく ホルター心電図で危険なタイプでなければ いくら不整脈が数多く出ても まず心配する必要はありません ホルター心電図でも見つけられない たまにしか出現しない不整脈を どのようにして捕まえるかが大きな問題ですが 最近は次のような試みがなされています @携帯型心電計 自覚症状があるときに自分で胸に密着させれば 約30秒間 波形を測定して 記録に残すことができます @スマホアプリ スマホのカメラのレンズを指先に当てれば 脈拍数 脈波が計測できます 最終的に行われるのは 心臓電気生理学的検査です @心臓電気生理学的検査 心臓の内部を電気的にマッピングして 頻脈性不整脈の診断を行ったり 自動能を発する部位を同定して カテーテルアブレーションを行う部位を決めます <不整脈の治療> 治療すべきかどうかは *不整脈の危険度 放置すると寿命を短縮させるか? *自覚症状の強さ 日常生活に支障をきたすか? *重度の心疾患を合併しているか で決まります 発作が起きた時だけの治療ですむ不整脈が約半数で 生涯にわたる継続的な治療が必要な不整脈は 全体の1/4ほどに過ぎません 症状がなくても治療すべき不整脈は 心房細動のように脳梗塞などの危険度が高いなど 放置すると重大な不利益が生じるタイプです 不整脈としては軽症ですが 患者さんの症状の訴えが強いときは 症状からくる不安を取り除くために 抗不整脈薬でなく 抗不安薬を用いることもあります @薬物治療 頻脈性不整脈に対して行われることが多く *リズムをコントロールする薬 *心拍数を抑制する薬 が用いられます 徐脈性不整脈には 抗不整脈薬はあまり効きません @非薬物療法 *徐脈性不整脈 薬物が効かないので ペースメーカー 健康な人と変わらない生活が できるようになりました *頻脈性不整脈 カテーテルアブレーション 手術せずに治せるようになりました 心室細動などの危険な発作の際には 電気的除細動が行われます また 不整脈の原因となる 生活習慣病 生活習慣の改善も欠かせません <不整脈を指摘されたときの対処の仕方> 不整脈を指摘された場合は 専門医療機関を受診して *何が原因で起こっているか *ベースに心臓病がないか を 最低一度は精査して確認すべきです
高橋医院